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人間の本性は性善説だった

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人間について、「人間の本性は善である」とする性善説の考え方と、「人間の本性は悪である」とする性悪説の考え方があります。

 

心理学の研究によれば、人間はより性善説に近いのだそう。

 

サマリーをシェアします。

 

2018年、イギリス オックスフォード大学のジェニファー・Z・シーゲル氏を筆頭著者とする、人がよく知らない相手に対しても、道徳的で良い印象を迅速かつ容易に形成することを調べた研究結果が発表されました。

 

研究では、1,500人以上の人を対象とした、一連の実験が行われました。

 

その一つでは、参加者に次のような道徳的ジレンマが与えられ、決断を迫りました。

 

〔選択肢1〕報酬を得るために、他人に電気ショックを与える

 

〔選択肢2〕ごくわずかな報酬を得るために、他人に弱い電気ショックを与える

 

〔選択肢3〕報酬を得ることを拒否し、電気ショックを与えない

 

別の参加者に、彼らの行動を観察し、その性格を想像するよう指示しました。

 

結果、次のようなことがわかりました。

 

1、ほとんどの人は、他人に電気ショックを与えることを拒否しましたが、中にはお金を得るために他人に電気ショックを与えてしまう人もいました。

 

2、観察者は、良い行動を取った他人のことを「本当の善人」と確信しました。

 

3、それに対して、悪い行動をとった人のことは比較的早く許し、「本当の悪人」として断罪することを避けました。

 

4、人には、見知らぬ他人であっても利益を与えようとする基本的な素因があることが明らかになりました。

 

5、本来人は他人から搾取されたくないという強い動機づけを持っているため、性格の悪さを警戒するのは適応的であると言えます。

 

6、しかし、人が度々ミスを犯すような環境では、性格の悪さを誤って推測してしまうと、貴重な人間関係を早々に絶ってしまい、将来の協力的なつながりから得られるメリットを逃してしまいかねません。

 

7、そのため人間の脳は、相手が時に悪い行動をしても、その印象を驚くほど迅速かつ容易に好転させて、相手を許し、社会的関係を維持するようにできています。

 

8、このように、社会生活をうまく乗り切るためには、他人が矛盾した行動をしたり、時には不道徳な行為をしたりしても、その悪い印象を修復して、社会的関係を維持する必要があったのです

 

9、進化モデルによると、このような「寛大な」戦略は、たった一度の裏切りで協力関係を終了させる戦略よりも優れていると言えます。

 

出典:Nature Human Behaviour

 

https://www.nature.com/articles/s41562-018-0425-1

 

 

人間の脳は、他人の良いところをすぐに見つけるし、実際に他人の良いところを見たいと思っていて、悪い行いをした人はすぐに許し、他人の悪いところを非難することには消極的なのだそう。

 

それが、私たちの祖先が人間社会を崩壊させないための知恵で、子孫を残す為に必要な戦略だったと言われれば、確かにそうかもしれません。

 

でもこれは、現代社会では悪い人がトクする仕組みにもなってしまいますね。

 

例えば理不尽な扱いを受けても「まあ、根は悪い人じゃないんだし」と許しすぎて自分の心を壊してしまうなんていただけません。

 

性悪説の場合、他人のことは最初から疑ってかかりますから騙されにくいですが、これだと心を許せる人や、困った時に頼れる人が周りに居なくなってしまいます。

 

その一方性善説では、他人の良いところを見て信頼するので人間関係が円満になりますが、人の良さを他人に利用されて傷ついてしまうおそれも‥。

 

親としては、子どもをどちらにも偏らせず、バランスのとれた大人に育てて行きたいもの。

 

そのためには、性善説に傾きがちな脳の仕組みを理解して、お互いに尊敬し合えない関係ならば躊躇せず見直すことも、子どもに伝えておかなくては。

 

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