人間の心理状態は、認知や感情によって特徴づけられるため、心理学的手法で推測することができます。
ツイッターに使われる言葉を調査した研究により、私たちの日常的な思考や気分の変動パターンが明らかになりました。
サマリーをシェアします。
2018年、イギリス ブリストル大学のファボン・ドゾガン氏を筆頭著者とする、ツイッターを活用し、人々の心理的な動きの変化を分析した研究結果が発表されました。
研究者達は、イギリスの主要54都市において、ツイッターの匿名化された文章、日時、位置情報を1時間ごとにサンプリングし、2010年〜2014年までの間に、8億件のツイートと70億個の単語を収集しました。
それらのツイートの言語使用パターンを追跡し、73の心理測定指標に適合させることで、人々の思考スタイルが1日の中でどのように変化するかを明らかにすることができました。
結果、次のようなことがわかりました。
1、大規模な集団において、ツイッターから収集した心理指標は、ほぼ一定のパターンを示しました。
2、午前6:00から午前10:00の間には、人々は最も分析的思考が高まり、達成感、権力、お金、家庭、仕事といったことを話題にしていました。
3、午後15:00から午後17:00の間には、人々の思考スタイルは、人間関係の悩みや恋愛状況など、より感情的で現実的なものに変わっていました。
4、最も幸福度が高かったのは日曜日の朝で、6:00 以降、ポジティブな感情が多く表現され、ネガティブな感情、怒り、悲しみの表現は少なく、人々は最高の気分で目覚めていました。
5、これらのパターンのいくつかは、身体の自然なサーカディアンリズムによるものである可能性があります。
6、午前6:00から午前10:00の間は、精神のバランスを取るセロトニン活性が低下し、代謝を促すコルチゾールが急激に上昇する時間帯にあたります。
7、また、午後15:00から午後17:00の間は、セロトニン活性が最大で、コルチゾール値が最小の時間帯にあたります。
8、私たちの言語は昼と夜で大きく変化しており、それは私たちの関心事や基本的な認知・感情プロセスの変化を反映していると言えます。
出典:PLoS ONE
https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0197002
ツイートを分析することで、人々が最も感情的・分析的になる時間帯を突き止めることができるなんて驚きました。
「サーカディアンリズム」( Circadian Rhythm )とは、私たちが生まれながらに持っている生体リズムのことで「体内時計」とも呼ばれており、体温、血圧、睡眠、ホルモンと深く関わっています。
私の予想では、金曜の夜が一番テンションが上がる気がしていたのですが、研究によれば爽やかに目覚められる日曜の朝の幸福感には及ばないそう。
また、人々は朝に最も分析的になり、夕方に最も感情的になるとのこと。
確かに仕事帰りにスーパーへ買い物に行くと、冷蔵庫内の作り置きとの兼ね合いや、栄養のバランスよりも、その場の雰囲気で美味しそうなものを衝動買いしてしまうことがあるので、当たっている気がします。
生体リズムの変動がこんなにも私たちの思考や感情に影響を及ぼしているとは気が付きませんでしたが、このことを知っただけでも、これからは無駄遣いを防止できそう。
余談ですが、最も幸福感が低く、悲しみが増すのは月曜の朝だそうで、あるあるですね。
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