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小さな親切が社会を変えてゆく

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他人を助け幸福にするために自分のメリットを犠牲にするような行動のことを、心理学では「向社会的行動」と言います。

 

(反対の、社会秩序や道徳から大きく逸脱している行動のことは「反社会的行動」と定義します。)

 

向社会的行動をとるということは、自分が損をしてでも見ず知らずの相手のために尽くすということ。

 

見返りのない他者に対しても寛大な行動を取るのは、人類と一部の霊長類だけに見られる行動なのだそうです。

 

なぜ人間が向社会的行動を取るのかは、社会科学や生物学の分野で長年の謎とされてきました。

 

ところが心理学の研究で、人が向社会的行動を取る4つの動機が解明されたそうです。

 

サマリーをシェアします。

 

2020年、アメリカ オハイオ州立大学のデビッド・メラネド博士を筆頭著者とする、人間が相互に助け合う動機を調べた研究結果が発表されました。

 

研究では、オンラインによる大規模な実験が行われ、709名が参加し、4,254件の回答が得られました。

 

実験では、全参加者へ一定額の給付金が割り当てられました。

 

参加者はそれを他の参加者にどれぐらい寄付するか決めるよう指示され、次の異なる条件がランダムに振り分けられました。

 

1、自分が寄付をすればするほど、自分への報酬額が増える場合と、増えない場合

 

2、自分が他者に援助した場合、他者から返礼の機会がある場合と、ない場合

 

3、他の参加者が先に援助するのを見てから判断する場合と、何も情報がない場合

 

4、自分の行動が自分への報酬額に影響する場合と、そうでない場合

 

結果、次のようなことがわかりました。

 

1、人から親切にしてもらった人は、その人に対して「恩返し」をしたいという動機を持ちました。

 

2、人から親切にしてもらった人は、その親切を誰か他の人に「恩送り」したいという動機を持ちました。

 

3、親切を目撃した人は、第三者に親切になろうという動機を持ちました。

 

4、人は、自分の評判が上がりそうな時、善行を行いました。

 

5、現実世界では、人は世の中の様々なネットワークに組み込まれて生きています。

 

6、そんな社会では、人が互いに親切になるための動機は、複数のパターンが同時にいくつも重なり合って存在していると考えられます。

 

出典:Science Advances

 

https://advances.sciencemag.org/content/6/23/eaba0504

 

 

この研究で対象としているのは、母親が我が子を愛しむ愛情や、好きな相手への援助などではなく、自分とは全く無関係な他人のために寄付をするような行動の動機です。

 

ビジネスの世界では、「ギブ&テイク」のように、価値を提供した分だけ報酬を受け取るのが普通です。

 

そのため、ビジネスで利益を出すには戦略が必要となります。

 

ところがこの実験では、参加者は研究者が驚くほど寛大で、自分の犠牲を払ってでも、また自分の動機が一致しない場合でも、お互いに見知らぬ人を助け合おうとしていたのです。

 

実際に、こういうことって身近に起こっていますよね。

 

例えば私の場合で言えば、コロナ禍で常時マスク着用が推奨されても、息苦しくて面倒で、いくら「自身の感染予防のため」と言われても、正直乗り気になれませんでした。

 

ところが、「高齢者等への感染を防止するため」と言われた途端、面識すらない彼らのために協力しなければという気持ちが芽生えたのです。

 

日本では子どもの頃から「人様に迷惑をかけていけない」と言われますが、そういう教育のお陰で皆が他人を当たり前のように気遣えているとしたら、素晴らしいことですね。

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