人の心を操るテクニックって、世間にはいろんな方法が出回っています。
それだけ、多くのニーズがあるということでしょう。
ですが子育てをしていれば、相手の心を思いのままに操るなんていかに不可能なことかを思い知らされます。
実際には、相手どころか自分の気持ちすら、全然自在にはなりません。
漫画や映画などでは、人の気分を操る薬が登場することがありますが、あくまでフィクションとしての話でした。
ところが最近の研究者達は、そんなドラえもんのひみつ道具のような薬の開発を視野に入れているようです。
サマリーをシェアします。
2019年、オーストラリア シドニー大学コリング医学研究所のオオツ・ヨウ博士を筆頭著者とする、不快な感情を制御する、脳内の神経伝達物質の受容体を発見したとの研究結果が発表されました。
研究には、フランス、カナダ、ハンガリーなどの国際的な科学者チームが参加し、8年の歳月を要しました。
研究者達は、成体マウスを使って脳の機能を調べました。
結果、次のようなことがわかりました。
1、人間の脳の中心部にある、内側手綱核と呼ばれる領域で、新たな受容体が見つかりました。
2、その受容体はNMDA(N-メチル-D-アスパラギン酸受容体)と呼ばれるもので、ネガティブな気分を調整する役割を果たしていると考えられます。
3、この受容体についてさらに研究を進めることで、うつ病や不安症をより効果的に治療する新薬が開発できる可能性があります。
4、これまでの精神科の薬は、部分ではなく脳全体に作用するため、副作用が出ることがありました。
5、今回の発見で、よりターゲットを絞った、副作用の少ない薬を作ることができるかもしれません。
出典:Science
https://science.sciencemag.org/content/366/6462/250
つまり、脳内の、ネガティブな気分を調整している場所が分かったということ。
とはいえまだ解明されていないことも多く、最終的な新薬開発までは、これから先も長い道のりのようです。
世の中には様々な事情で過去の辛い体験のトラウマに苦しんでいる人達がいます。
いずれ、そんな傷ついた人達の心を薬で治せるような時代がくるのかもしれません。
科学の進歩って、空想の世界でしかなかったことを現実にしていくのですね。
ただこれは、本来人に備わっている機能を人の都合で操作することにもなりかねませんので、考えさせられます。
科学技術が、人類の未来を良くする方向に進歩してゆきますよう。
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