子どもの将来の為の、知育教材や習い事などは沢山あります。
それに比べると、母親の為のリラクゼーションとか教養系の習い事は少ない印象です。
母親って、家族や子どもの為に頑張ることに必死で、つい自分のことは後回しにしがちなもの。
実際、私の周りでもかなりの母親がストレスを抱えて頑張っています。
中には、頑張りすぎて殺気が漂い、トゲトゲしている人もいて心配になります。
母親の心理状態が子どもの知能にも影響を及ぼすとの研究結果もあるのです。
サマリーをシェアします。
2018年、カリフォルニア大学サンディエゴ校のパトリシア・イースト博士らによる、母親のうつ病と、子どもへの関わり方と、子どもの認知能力の関係を調べた研究結果が発表されました。
研究者たちは、チリの中産階級の子どもたちを対象に、1991年から2007までの間、5年ごとの追跡調査を実施しました。
875人の子どもを対象に、1歳、5歳、10歳、16歳でテストを実施しました。
結果、次のような事がわかりました。
1、チリのサンディアゴに住む母親のおよそ50%が、調査期間中のどこかでうつ病を発症していました。
2、新米ママの4分の1が、産後うつを経験していました。
3、子どもが生まれたときに重度のうつ病だった母親の約5人に1人は、うつ病が長期化しました。
4、うつ病度の高い母親は、すべての年齢で子どもへの精神的支えや物質的サポートが減少傾向にありました。
5、落ち込みの激しい母親は、そうではない母親に比べて、子どもの玩具や書籍などの学習教材に投資をしていませんでした。
6、母親の抑うつ度が高くなるほど、母親のサポートは低下しますが、それは子どもの年齢が上がるほど高くなる傾向にあり、子どもの知能の低下に関係していました。
出典:Child Development
https://srcd.onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1111/cdev.13071
つまり、母親が慢性的なうつ病や抑うつ状態にある場合、子どもが受ける精神的知能的なダメージも長期にわたる可能性があるということ。
この研究に参加した子どもたちの母親の多くは、読み書きができるとはいえ、9年間の教育しか受けていなかったそうです。
また、ほとんどの母親が外で仕事をしておらず、狭く混雑した家で親戚と一緒に暮らしているケースも多く見られました。
このように、この研究に参加した母親たちには、生活の中に多くのストレス要因があったのです。
そのため、かなり事情が異なるチリの事例を、単純に日本に当てはめて考えることはできません。
ただ、日本においても、家事、育児、仕事を毎日極限まで頑張っている母親は大勢います。
どこかで上手に息抜きしないと、子どもの知能の発達にダメージを与えてしまうかもしれません。
子どもの幸せのためにも、母親は自分で自分を大事にしなくては。
子どもの可能性を伸ばすためと割り切って、まず母親自身が遠慮せず自分を労わるべきですね。
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