海外の論文を読んでいると、普通の両親のもとで育った子どもと、ひとり親家庭で育った子どもを比較調査した研究が結構出てきます。
ひとり親がどんなに頑張っても、普通の両親のもとで育った場合と、まったく同じとはゆきません。
同じような状況の人が身近にいないと、「自分1人で子どもをちゃんと育てられるのか?」と心配になり、インターネットで調べまくったりします。
でも、ひとり親かどうかよりも、子供との関わり方の方が重要との研究があります。
サマリーをシェアします。
2019年、イスラエルにあるヘブライ大学のエリック・グールド教授らを中心とする研究者たちは、親が死亡した場合、親が離婚した場合、大家族化で親の影響力が弱まった場合、の3つの場合について、子どもの成績の差について研究しました。
イスラエルの100万人の子どもたちを対象に研究が行われました。
対象者のうち2万2,000人以上が18歳までに親を亡くしていて、7万7,000人は親が離婚していました。
研究者は子供たちの育った環境と、子供たちの大学入試試験の成績を比較しました。
結果は、次のようなものでした。
1、3つの場合は、いずれも驚くほど類似したパターンを示しました。
2、つまり、親との死別や離婚などは、子どもの成績にあまり影響しないことが分かりました。
3、親が子供と一緒にいる時間が長いほど、子供の成績が良い傾向にありました。
4、親の子育て時間が相対的に短いほど、子供の成績が低い傾向になりました。
5、子どもの学業での成功には、親の関わり方が重要という結果になりました。
出典:NATIONAL BUREAU of ECONOMIC RESERCH
国民皆兵国家で教育熱心と言われている、イスラエルでの研究です。
日本とは価値観も文化も伝統も違いますが、興味深い内容です。
子供の成績を良くしたいなら、親の人数や家庭の事情よりも、子供と一緒に過ごす時間の方が重要ということ。
他所のお家と同じかどうかより、親が子どもとちゃんと向き合っているかどうかが大事ということ。
だったら余計なことには見栄を張らず、子どもとの時間を優先したいものです。
そうは言っても、ひとり親こそ毎日忙しく、子どもとの時間が少なくなりがちです。
研究によれば、それでは子供の成績が下がってしまうとのことですので、なんらかの手を打たねばなりません。
子育ては理想通りにいかないのが常ですが、だからこそ工夫のし甲斐があるというもの。
私の経験ですが、子どもが小学生のころ、簡単なイラストを添えたメモや、小さなお土産をマメに渡していました。
子どもに「学校から帰宅し、その日のおやつに手書きのメモがついているのを見つけると愛情が感じられる」と言われ、ずっと続けていたのです。
どういう愛情の伝え方が好きなのか?お子さんにより好みが違いますので、何が正解とは一概に言えません。
今は、メールやLINEスタンプなど、コミュニケーションツールも多様な時代です。
時間が少ないなりに愛情を伝える方法って、工夫次第な気がします。
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