思春期の子育ては、思うようにいかないことばっかりです。
子どもが何を考え、何をやっているのかも判らなくなり、心配なことばっかりです。
青少年の犯罪ニュースが大きく報じられていると、関係ないのに胸がざわついたりします。
ついつい、子どもを守りたくて過干渉になってしまうことって、十分ありえます。
それはおそらく、子どもの幸せを願っての行動なのです。
大抵、「いまは辛くても、大人になれば分かってくれるはず。」などと言いますから。
でも心理学によれば、思春期は子どもの自律性を開発する、とても大事な時期です。
この時期に、親が子どもを厳格に管理しすぎると、子どもの自尊心に将来に渡って深刻な問題を引き起こす可能性があるそうです。
記事のサマリーをシェアします。
2020年、バージニア大学のエミリー・ローブ博士を中心とした研究チームが、13歳から32歳までの184名を対象に調査を行いました。
それによると、思春期に威圧的な親から心理的に支配されていた子どもは、次のような可能性が高くなるとわかりました。
1、同世代の仲間から好かれない
2、交際相手との恋愛がうまくいかない
3、学業での成績が低い
威圧的で支配的な親の典型的行動とは、次のようなものが含まれます。
1、怒っている時に、子どもへの愛を撤回する
2、親を怒らせたことで子どもに嫌な思いをさせる
3、理不尽なルールや厳しい罰を与える
4、共感や思いやりの無い行動を取る
このような親の子育てスタイルは、思春期に自律性を養うという重要な機会を奪ってしまいます。
思春期の子どもを親が威圧して支配した場合、子どもはその深刻な影響を成人期半ばまで受けてしまいます。
このような社会適応力の阻害は、子どもにとって修復が難しい根本的ダメージになる可能性があります。
出典:Society for Research in Child Development
https://srcd.onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1111/cdev.13377
私がショックなのは、「威圧的で支配的な親の典型的行動」とされている内容が、わりとありふれたものであること。
遠い昔、私が思春期だった頃、学校は校内暴力で荒れていて授業どころではありませんでした。
親も教師も、威圧的で支配的なのが当然とされた時代でした。
当時は今と違って、親や教師による体罰が容認されている時代でした。
私たち世代の多くが、その影響を受けていると考えると背筋が寒くなります。
せめて、子ども達の世代には引き継が無いよう、十分注意しなくては。
将来子どもが独立して生家を離れれば、親は「子育て終了!」を宣言し、肩の荷が下りた気分になるのかもしれせん。
でも、子どもの方では、思春期に親から受けた傷を大人になっても引きずってしまう可能性があります。
すでに成人して親元からも独立しているのですから、本人はまさか親の影響とは気づかないかもしれません。
「友達ができないのは自分の性格が悪いせいだ。」
「モテないのは自分に魅力がないせいだ。」
「勉強ができないのは自分がバカだからだ。」
そんな風に思い込んで、ますます自尊心を削っているとしたら?
悲しすぎます。
親は子どもに幸せになってほしくて、良かれと思ってやったことなのに。。。
もう時代は変わったのですから、子育てのスタイルも変えていきたいです。
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