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アクティブなライフスタイルの心理的効果

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心身の健康を保ち、生活習慣病を予防するため、散歩やスポーツなどの身体運動が良いことは以前から知られています。

 

例えば「不安障害」(Anxiety disorder)は、過度の不安や緊張から日常生活が困難になる精神疾患です。

 

不安障害の原因は完全には分かっていませんが、人生の若い時期に発症することが多く、女性の発症割合は男性の2倍と推定されています。

 

これまでの研究で治療には運動が有効であるとされてきましたが、運動の量や強度、本人の体力レベルの違いが、不安障害の発症リスクに及ぼす影響について調べた研究があります。

 

サマリーをシェアします。

 

2021年 スウェーデン・ルンド大学のマルティナ・スヴェンソン氏を筆頭著者とする、体を動かす生活習慣と不安障害の発症リスクとの関係を調べた研究結果が発表されました。

 

今回の研究では、スウェーデンの395,369人を最長21年間追跡しました。

 

その間、一部の人はヴァーサロペットと呼ばれる世界最大のクロスカントリースキーレースに参加していました。

 

このレースはスウェーデンの一大行事であり、その様子はテレビでも生中継されます。

 

研究者達は、これをアクティブなライフスタイルの指標とし、レース参加が不安症の発症リスクの低下と関連するかどうかを調査しました。

 

レースに参加したスキーヤーとそうではない一般人について、条件を同一に揃えた上で、スウェーデンの人口登録と患者登録データを用いて比較しました。

 

結果、次のようなことが分かりました。

 

1、スキーヤーは一般人と比較して、最長21年間の追跡調査で不安障害を発症するリスクが男女ともに約60%低くなりました。

 

2、今回の結果は、男女ともに不安障害のリスクを減少させるために、スポーツなどの運動が推奨されていることを裏付けるものと言えます。

 

3、しかし、男性スキーヤーと女性スキーヤーとの間で、運動パフォーマンスレベルと不安障害の発症リスクに顕著な違いがありました。

 

4、女性スキーヤーの場合、最高のパフォーマンスを発揮するトップグループは、中程度以下のグループに比べて、不安障害のリスクが2倍になっていました。

 

(とは言え、トップグループの不安障害リスクは、身体活動の少ない一般女性に比べれば低いものでした。)

 

5、男性の場合は、そのようなレースでのパフォーマンスの違いによる不安障害の発生リスクに大きな違いはありませんでした。

 

6、不安障害に対する運動の効果には、男女で大きな違いがあり、特に女性に関しては、不安障害の予防には程良い運動量が存在する可能性があります。

 

出典:Frontiers in Psychiatry

 

https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fpsyt.2021.714014/full

 

この研究では、お国柄でスキーが研究対象に選ばれましたが、スキーが特別なスポーツという訳ではなく、どんな運動でもよいとのこと。

 

確かに、大きな大会に出る程のスポーツの腕前を持っているような人なら、快活でアウトドア志向なイメージがあります。

 

驚いたのは、女性の場合、ストイックに競技の頂点を目指すようなトップアスリートよりも、中程度以下レベルの人の方が不安障害のリスクが低いということ。

 

運動を頑張れば頑張るほど効果が高いという訳ではなく、ちょうど良いのが大事ということですから、目的を見失う程にのめり込むのは考えもの。

 

競技で結果を出したい訳でなくて、心身の健康を望むならば中庸を大事にしたいですね。

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