友人の結婚式でスピーチを頼まれた時とか、会議で自分の意見を言う時とか、自分よりも地位の高い方と面談することになった時など、ちゃんと準備していても本番で緊張してしまうのは私だけではないと思います。
コロナ禍で働き方や日常生活に大きな変化が生じ、先行きが益々不透明となっているからこそ、将来に不安を感じる人が増えているそう。
研究で、不安な気持ちを抑え込むよりも、その状況を別の視点で捉え直す方が不安を軽減させられることが分かっています。
サマリーをシェアします。
2013年、アメリカ イリノイ大学シャンペーン校のニコール・ルウェリン氏を筆頭著者とする、不安と向き合う方法とその効果について調べた研究結果が発表されました。
研究には、健康な成人179人(女性110名、男性69名)が参加し、感情に対処する方法についてのアンケートに質問しました。
「もっと頑張ろうと気合を入れて達成したことが何度あるか」「親が決めたルールや規則をどのくらいの頻度で守っていたか」などの質問について、「全く無い」から「よくある」までの5段階で評価しました。
結果、次のようなことがわかりました。
1、不安のレベルが低いと、物事を成し遂げるための集中力が高まりました。
2、昇進志向の強い人ほど不安のレベルが低く、彼らは問題を別の角度から考える傾向にありました。
3、この傾向には男女差がなく、彼らは、大抵の状況は別の角度から捉え直すことができると考えていました。
4、何か問題が起きた時、そのことを不安に考えず、刺激的な挑戦と捉えるのです。
5、不安を抑えようとする人よりも、困難を違った面から考えられる人の方が、ストレスの多い社会的状況下での不安を感じにくいと言えます。
出典:Emotion
https://doi.apa.org/doiLanding?doi=10.1037%2Fa0032568
想定外のことが起きた時、不安でドキドキする人と、期待でワクワクする人がいますが、不安は状況を違う角度から考えることで小さくすることができるそう。
例えば、
「緊張するプレゼン」
↓
「数人の同僚とのおしゃべリ」
「採用面接」
↓
「新たな人との出会いの場」
「貯金が半分に減った」
↓
「貯金はまだ半分残っている」
などのような感情調整の戦略は誰でも学ぶことができます。
つまり遺伝的要因や環境的要因とは違い、これは自分で変えられることなのです。
もちろん、いつも明るく前向きに過ごすことが正解とは限りません。
不安は必ずしも悪いことではなく、状況を別の角度から考える必要がないケースも多いもの。
加えて不安には、早めに気になる医療面の検査を受けたり、危険な状況を回避したりするなど、多くの前向きな行動のモチベーションになるとのメリットもあります。
私の場合、心配になって家族旅行の計画を何度も見直したり、万一に備えて子どもの着替えを多めに準備したりしたことが、結果的に吉となったことがありますから、不安の効能と言えなくもありません。
不安な感情を否定するのではなく、メンタルのコントロールが鍵ということですね。
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