親として、子どもに良い友人ができて欲しいと願っています。
ですが良い友人が欲しいと望むのは、子どもだけとは限りません。
悩みを打ち明けたり、イザという時頼れたり、心を許せる友人との親密な関係が、親であっても重要という考え方もあります。
その一方、独身時代は友達と親しくしていても、恋愛相手ができたり、子どもが生まれたりすると徐々に距離を置き、家族との関係に集中したい人もいるでしょう。
友人、子ども、恋愛相手のうち、最も幸福度を高めてくれる人は一体誰なのでしょう?
研究のサマリーをシェアします。
2020年、アメリカ サザンメソジスト大学のネイサン・W・ハドソン博士を筆頭著者とする、家族や友人と過ごす時間と、その幸福度との関連性を調査した研究結果が発表されました。
研究には、400人以上の人々が参加しました。
研究者達は、参加者が友人、子ども、恋愛相手と一緒にいる時に感じる、幸せの量を比較しました。
その方法として参加者に、友人、子ども、恋愛相手と過ごした時間を思い返し、一緒に過ごした内容を特定してもらいました。
そして、それらの経験を通じて得られた「幸せだ」「満足だ」「意味深い」などの感情レベルを6段階で評価してもらいました。
結果、次のようなことが分かりました。
1、3種類の人達の、幸福度を感じる順位は次の通りでした。
[3位] 恋愛相手
↓
[2位] 子ども
↓
[1位] 友人
2、しかしこの結果は、相手よりも活動内容に関係していると言えます。
3、なぜならば、人はリラックスしている時、食事をしている時、対話している時に最も幸せを感じることが研究で分かったからです。
4、参加者が友人と過ごす時には、レストランでの会食やスポーツ観戦など、より楽しい活動を行う傾向にあるため、幸福度が高めでした。
5、その一方、家族と過ごす時には、家事や介護などの日常的な作業を一緒に行う傾向にあるため、幸福度が低めでした。
6、ただし子どもと過ごす時間は、家事や送迎など、ネガティブなイメージのある活動に時間を割くことになるにも関わらず、人々は育児をポジティブに受け止めていました。
7、友人、子ども、恋愛相手それぞれの活動内容を統計的にコントロールすると、「存在」がもたらす幸福度は3人とも同じ程度となりました。
8、恋愛相手や子どもに対しても、友人同士のように楽しむ機会をつくり、家族との幸福な時間を心の底から味わうことが大切です。
9、逆に、家事や育児ばかりしていて楽しみの時間に乏しい家族関係では、多くの幸せをもたらすことが難しくなるでしょう。
出典:Journal of Personality and Social Psychology
https://doi.apa.org/record/2020-20116-001?doi=1
家族といるよりも、友人と過ごす方が幸福度が高かったら何だかショックですが、これは、一緒に過ごしている時の活動内容によるバラつきであって、存在による幸福度は皆一緒だったそう。
確かに家族よりも友人と一緒にいる時の方が、遊びの予定が多目です。
もし、滅多に会えない友人と久しぶりに再会したりすれば尚更でしょう。
これに対して、人生を一緒に歩む恋愛相手であれば、当然家事を分担し共同で家庭を支えてゆくことになるので、一緒に頑張る時間が多くなりますね。
そして子どもと過ごす時間は、一方的に手が掛かるばかりに見えるにも関わらず、実際には恋愛相手と過ごすよりも幸福度が高かったというのも、親ならば誰もがうなづける結果です。
子どもの成長って、何ものにも代えがたい喜びですし、子どもから元気をもらえますから。
子どもとも友人同士のように遊びの予定を組んで、家庭内の幸福度を高めて行きたいものです。
要するに、子育て中の母親全員に対して、「ママ友を作った方が良い」などと一律に同じアドバイスをするのは余計なお世話かもしれません。
だって、毎日の世話に追われる子どもも、人生をともに歩む恋愛相手も、共通の価値観を持つ友人も、その存在に注目すれば、一緒に過ごす幸福度は同じですから。
私自身はおそらく友達がとっても少ないタイプですが、子どもと自宅でまったりくつろぐ今のスタイルが向いているよう。
他人と自分とを比べなければ、自由です。
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