子育てをしていれば、嬉しい時もある反面、自分の思い通りにならない辛い時もあります。
親としてはいつも明るく機嫌良く在りたいものですが、実行するのは大変です。
研究によれば、意識的に振る舞いを変えることで、ある程度自分の心を操ることができるそう。
サマリーをシェアします。
2020年 アメリカ カリフォルニア大学リバーサイド校のソーニャ・リュボミルスキー教授を筆頭著者とする、行動の変化が心に及ぼす影響について調べた研究結果が発表されました。
研究には、131人の大学生(男性40人、女性91人、平均年齢19.2歳)が参加しました。
参加者に、1週間は外向的に振る舞い、もう1週間は内向的に振る舞うよう指示しました。
参加者は、外向的に振る舞う週には、おしゃべりで、自己主張が強く、自発的に行動するように言われました。
反対の内向的に振る舞う週には、普段より慎重に、静かに、控えめに過ごすように言われました。
そして、毎週毎にオンラインで評価を行いました。
加えて週に3回、アンケートも実施しました。
結果、次のようなことが分かりました。
1、人は外向的に1週間過ごすと幸福感が増加し、内向的に1週間過ごすと幸福感が減少しました。
2、人が自分の行動スタイルを変えると、その人の性格は変えた方向へと変化することが示唆されました。
3、生まれつき内向的な人が、外向的な人のように振る舞うのは苦痛ではなく、むしろ外交的な1週間を過ごすことで幸福度が高まりました。
4、社会的な振る舞いを変えることは多くの人にとって実現可能な目標であり、外向的な振る舞いをすることで幸福度が向上します。
出典:Journal of Experimental Psychology
https://psycnet.apa.org/doiLanding?doi=10.1037%2Fxge0000668
生まれ持った自分の性格的な特性を意志の力で変えるのは大変ですが、表面的な振る舞いを外交的に変えるのは、誰にとっても苦痛ではないとのこと。
性格が振る舞いを作ると思われていますが、性格そのものではなく振る舞いを変えることで、幸福感を操作できるとは驚きの研究結果です。
確かにノビノビと自分を解放できたら、気持ちが楽になりますね。
ただ、私がこの研究論文を読んで気になったのは、この研究データのサンプルがアメリカの大学生だということ。
彼らは遊び心を持って実験を楽しんだ様子ですが、もし日本の大学生だったら、どんな結果になったのでしょう?
「外交的になりなさい」との指示に真面目に取り組み過ぎて、しんどくなってしまうかもしれません。
そういえば私がCA時代、徹底的に鍛えられたのが、本心を顔に出さないこと。
CAに限らず接客業ならどこでも当たり前ですが、特に、疲労感と嫌悪感を顔に出すのは絶対NGとして厳しく訓練されました。
もちろん笑顔で元気に振る舞ったら疲れが吹き飛ぶなんて幻想で、プロ根性で乗り切るしかありません。
現役を退いた今では、ネガティブな感情も普通に顔に出せるのがストレスフリーで幸せです。
それを思い返しても、子どもに「外交的に振る舞いなさい」なんて無理強いしたくありません。
研究では外交的に振る舞うと幸福度が上がるとのことでしたが、それは明るく快活な優等生を演じるという事ではなく、自分の感情や意思を無理のない範囲で周囲にオープンにするという事だと思います。
なので子どもの上手く言葉にならないモヤモヤとした不安や葛藤は、せめて親に対しては吐き出して欲しいですね。
学校という場所は集団での協調性が求められますから、考え方が自由な子どもほど、規律に縛られ苦労が耐えません。
だから家庭の中くらいは、ちょっと甘ったれで自己主張が強くても、自分に正直で外交的な振る舞いという事にして大目に見てあげたいなと思うのです。
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