人に親切にすれば、いつか自分に善いことがかえってくると言われますが、これは心理学的に見て正しいとされています。
誰かに親切にするとその相手は確かに幸せになりますが、それだけではありません。
親切な行動をすることによって、脳内に幸せホルモンと言われる「オキシトシン」が分泌され、心に幸福感をもたらし、心臓と血管を健康に保ち、老化を防止することがこれまでの研究で分かっています。
さらに最近の研究では、他人に親切にすると、それを目にした周りの人も同じく親切なアクションを起こしたくなって、親切が周囲に伝染してゆくとのこと。
サマリーをシェアします。
2020年、アメリカ イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校のヘソン・アニー・チョン博士を筆頭著者とする、親切な行動がどのようにして社会に伝播するのかを調べた研究結果が発表されました。
研究者チームは、世界中の様々な出版物、書籍、論文、議事録、参考資料などから絞り込んだ88件の研究の、25,354人のデータを用いて、親切の社会的な伝播について調査しました。
結果、次のようなことがわかりました。
1、他人のために行動している人の姿を見た人は、自分も親切な行動をしたい気持ちが高まりました。
2、その人が実際に他人に手を貸したり、プレゼントを贈ったりすると、それを見ていた別の人が真似をする傾向がありました。
3、最初の1人の親切な行為は、それを見た他の人が真似することで、最終的に3倍の価値になっていました。
4、他人が親切にされるのを目撃することは、自分が親切を受ける場合よりもずっと強力な親切の動機となっていました。
5、他人を助けることは、自分を助けることよりも幸福度を高めていました。
出典:Psychological Bulletin
https://doi.apa.org/doiLanding?doi=10.1037%2Fbul0000235
研究で、人に親切にすることは、非常に伝染性が高いことがわかりました。
つまり、日常でちょとした親切をすることで、知らないうちに何十人、何百人もの人に影響を与えて社会を良くしている可能性があるとのこと。
また、自分が受けた親切や、自分が目にした親切について、人に話したりSNSで拡散したりすることでも、世の中にどんどん親切が伝播してゆくのですから、便利な時代になったものです。
実際、ニュースで厳しい世間の現状を知ってがっかりすることもありますが、心温まるエピソードに気持ちがほっこり和むと、前向きな気分になりますね。
そんな小さな積み重ねが人間関係を改善し、さらなる親切を生み、社会を善い方向へ変えてゆくなんて希望が持てます。
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