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人は思うよりずっと正直

実は私、これまでの人生で1度だけお財布を落としたことがあるのです。

 

ですが拾った人が届けてくれて無事手元に戻りましたので、運が良いのかもしれません。

 

ただ、これは治安が良いと言われる日本での話。

 

もし外国だったら、どうなったのでしょう?

 

研究のサマリーをシェアします。

 

2019年、アメリカ ミシガン大学のアラン・コーン氏を筆頭著者とする、文化の違いによる市民の正直さと利己心との関係について調査した研究結果が発表されました。

 

研究者達は、世界40カ国の355都市で、合計17,303個もの財布を落とすという国際共同実験を行いました。

 

その際、次の3タイプの財布を用意しました。

 

〇お金が入っていない財布:(0円)

 

〇お金が少ししか入っていない財布:13.45米ドル相当の現地通貨(約1,500円)

 

〇多額のお金が入っている財布:94.15米ドル相当の現地通貨(約10,000円)

 

さらに財布には、持ち主と思われる人の架空の名前とメールアドレスが書かれた3枚の名刺も入れました。

 

研究者達はこれらの財布を、銀行、劇場、警察署、官公庁など、見つかりやすい公共の場所で落とし、拾った人から連絡が来るのを待ちました。

 

結果、次のようなことが分かりました。

 

1、意外なことに、お金の入っていない財布よりも、お金がたくさん入っている財布ほど、返してくれる人が多く、その平均は次のようになりました。

 

〇お金が入っていない財布の返却率 ⇒ 40%

 

〇お金が少ししか入っていない財布の返却率 ⇒ 51%

 

〇多額のお金が入っている財布の返却率 ⇒ 72%

 

2、お金が沢山入っている財布ほど連絡してくる人が多いのは、「自分を泥棒とみなしたくないという嫌悪感」が、「経済的メリット」よりも強力になる場合があるからだと考えられます。

 

3、この研究結果は、多くの人が基本的に正直であることを示唆しています。

 

4、この研究による40カ国の市民の誠実さのランキングは次の通りです。

 

1位 スイス

2位 ノルウェー

3位 オランダ

4位 デンマーク

5位 スウェーデン

6位 ポーランド

7位 チェコ共和国

8位 ニュージーランド

9位 ドイツ

10位 フランス

11位 セルビア

12位 オーストラリア

13位 クロアチア

14位 スペイン

15位 ロシア

16位 ルーマニア

17位 カナダ

18位 アルゼンチン

19位 イスラエル

20位 ポルトガル

21位 アメリカ

22位 イギリス

23位 ギリシャ

24位 イタリア

25位 チリ

26位 ブラジル

27位 南アフリカ

28位 タイ

29位 メキシコ

30位 インド

31位 トルコ

32位 ガーナ

33位 インドネシア

34位 アラブ首長国連邦

35位 マレーシア

36位 ケニア

37位 カザフスタン

38位 ペルー

39位 モロッコ

40位 中国

 

出典:Science

 

https://science.sciencemag.org/content/365/6448/70

 

 

日本でも実験して欲しかったですね。

 

沢山お金が入っているお財布の方が、戻ってくる率が高いなんて意外です。

 

古典的な経済学の考え方だと、不正に得られるメリットが増大すればするほど、正直な行動は減ると考えられますが、この研究では正反対の結果となりました。

 

人々は、お互いに考えているよりもずっと正直だというのは、かなり喜ばしい研究結果です。

 

市民の誠実度が高いとされた国に、旅行に出かけたくなってきます。

 

そういえば私がお財布を落とした時、たまたま11万円入っていたのですが、無事に戻ってきた理由はそれだったりして。

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