子育てで悩むのは、スマートフォンの運用方法で意見が対立する場面です。
それぞれのご家庭ごとに、様々なルールがありますよね。
ウチの場合、子どもが食事中もスマートフォンをテーブルの上に置きたがると、その都度バトルになってしまいます。
子どもの言い分は「食事が終わるまではスマートフォンを見ないし、テーブルの上に置いておくだけだから別にいいでしょう?」と言うもの。
確かに理屈が通っているような気もしないでもないのですが、何故かスッキリしません。
もしかして私の感覚が古いのでしょうか?
研究によると、スマートフォンは視界に入っているだけで人の集中力を低下させ、一緒にいる人と交流する楽しみを奪ってしまうとのことです。
サマリーをシェアします。
2017年、カナダ ブリティッシュコロンビア大学のライアン・J・ドワイヤー氏を筆頭著者とする、スマートフォンが人付き合いに及ぼす影響を調べた研究結果が発表されました。
研究では、300人以上の地域住民や大学生を対象に、友人や家族と一緒にレストランで食事をしてもらいました。
その際、研究の対象者達は、食事中にスマートフォンをテーブルの上に置いておくか、ポケットに入れたままにしておくかを無作為に割り当てられました。
その後、食事を楽しんだかどうかをインタビューしました。
結果、次のようなことが分かりました。
1、大切な人と一緒に過ごしている時にスマートフォンを使用すると、相手を不快にさせました。
2、食事中、テーブルの上にスマートフォンを置いているだけで注意力が散漫になり、友人や家族との時間を楽しむことができませんでした。
3、会話が途切れた際に、スマートフォンを使用した人は、そうしなかった人と比べて、より退屈に感じたと報告しました。
4、食事中にスマートフォンの使用を避けた人は、友人や家族との付き合いをより楽しむことができていました。
5、スマートフォンでの交流よりも、対面での交流の方が、私たちの日々の幸福度にとって重要だということがわかりました。
6、スマートフォンを使えば、世界中の人とつながることができる一方、目の前にいる人とのつながりを損なう可能性があります。
出典:Journal of Experimental Social Psychology
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0022103117301737?via%3Dihub
やはり、食事中にスマートフォンを使わなければ、テーブルの上に出しておいてOKということではなさそうです。
当初研究者たちは、スマートフォンを会話が途切れた時などに使うことで、人との交流の役に立つのではないかと考えていたそうです。
しかし実際には、携帯電話が視界に入るだけで、人はSNS経由のメッセージやコメントのことが気になって、集中力を削がれてしまいました。
アラート機能でタイムリーにお知らせが来るスマートフォンは、とても便利な反面、心安らぐ時間にはそぐわないようです。
知らず知らずのうちに、楽しみや幸福感をスマートフォンに奪われているなんて、ショックですがあり得る話ですね。
ただ、デジタルネイティブと呼ばれる若者世代の様子を見ていると、親世代とは「当たり前」の感覚が違ってきているようにも見えます。
そんな子ども達と、スマートフォンの使用ルールを話し合う際には、感覚のギャップについても理解しあう必要がありそうです。
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