家庭内での暴力や攻撃的行動のことをDV(ドメスティック・バイオレンス)と呼びます。
なんと母親がDVを受けている家庭では、子どもの知能が低下するとの研究があります。
サマリーをシェアします。
2019年、イギリス マンチェスター大学のキャサリン・アベル教授を筆頭著者とする、DVが子どもの発達に及ぼす悪影響を調べた研究結果が発表されました。
この研究にはイギリスの3,153組の母子ペアが参加しました。
母親に、パートナーや親しい相手から受けたDV経験についてアンケートを実施しました。
また、子どもが8歳になった時点で、子どもの知能指数を測定しました。
結果、次のようなことが分かりました。
1、5人に1人の母親が精神的DVを受け、14人に1人の母親が身体的DVを受けていました。
2、母親がDVを経験していない場合、子どもの知能指数が平均より低い割合は、13%でした。
3、母親がDVを受けたことがある場会、子どもの知能指数が平均より低い割合は、22.8%に上昇しました。
4、母親がDVを繰り返し受けている場合、子どもの知能指数が平均より低い割合は、34.6%にまで上昇しました。
5、母親がDVを受け続けることは、母子間の絆に影響を与え、発育中の子どもにさらなるリスクをもたらす可能性があります。
6、両親間でのDVは、ただでさえ弱い立場にある子どもの人生を左右する深刻な要因であり、このような家庭へは早期の介入が求められます。
出典:Wellcome Open Research
https://wellcomeopenresearch.org/articles/4-107/v1
たとえ子ども自身が暴力を受けていないとしても、母親が日常的にDVを受けているような殺伐とした家庭環境は、子どもの将来にまで悪影響を及ぼしてしまいます。
これはイギリスでの研究ですが、日本も決して他人ごとではありません。
平成30年の内閣府調査によると、結婚したことのある女性の約7人に1人がパートナーからのDVを経験しているそうです。
http://www.moj.go.jp/content/001335468.pdf
誰にだってそれぞれの事情があるとは思いますが、どんな家庭に生まれるかについては子どもには何ら責任のないことですので、専門家による支援が広く行き届く社会になって欲しいです。
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