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新型コロナウイルス感染リスクを減らせる心のケアとは

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新型コロナウイルスによるパンデミックの中、心理的な幸福度の低下と社会的孤立の増加が世界的に起きていると言われています。

 

パンデミックの一刻も早い終息を願うばかりですが、最近の行動医学の研究で、適切なメンタルケアが新型コロナウイルス感染リスクを減らす要因となる可能性が示唆されました。

 

サマリーをシェアします。

 

2022年、イギリス ノッティンガム大学のキーラン・エイリング博士を筆頭著者とする研究チームが、心理的幸福度と、新型コロナウイルス感染リスクとの関連を調査した研究結果を発表しました。

 

研究にはイギリスの成人1087人が参加しました。

 

参加者は、2020年4月に心理的幸福度の測定を行いました。

 

それから2020年12月までの期間、追跡調査され、新型コロナウイルス感染の発症の有無と、症状の程度を自己申告してもらいました。

 

専門家チームは人口統計学的要因と、職業的要因を考慮に入れて、これらのデータを分析しました。

 

結果、次のようなことがわかりました。

 

1.パンデミックの初期段階(2020年4月)において、ストレス、不安、うつ病の増加など、より大きな心理的苦痛の増加を経験していた人々は、そうでない人と比較して、新型コロナウイルス感染のリスクが高くなりました。

 

2.心理的苦痛が増加していた人は、そうでない人と比較して、感染した場合、より多数のより重篤な症状を経験する傾向がありました。

 

3、これまでの研究では、ストレスや社会的支援などの心理的要因が、ウイルス性呼吸器疾患やより重篤な症状に対する感受性を高めると考えられてきました。

 

4、私たちの研究では、心理的な苦痛が増加している人々は、より新型コロナウイルス感染リスクが高くなる可能性が示唆されたと言えます。

 

出典:Annals of Behavioral Medicine(2022)

 

https://academic.oup.com/abm/advance-article/doi/10.1093/abm/kaab106/6494327

 

 

これまで新型コロナウイルスに関して「高齢者は感染しやすい」「若者は重症化しやすい」などと言われてきました。

 

この研究によれば、それらに加えストレスが増加した人ほど感染しやすく、重症化しやすいとのこと。

 

自己申告データによる分析であることを割り引いて考えたとしても、これは悩ましい‥。

 

何故ならば、私たちの社会で最も苦しみ、困難な状況に陥っている人々が、最も新型コロナウイルス感染のリスクが高いということになってしまいますから。

 

もしもこの研究が正しいとするならば、コロナ禍の中、自分を犠牲にして頑張っているような人ほど、手厚くケアされるべきということになります。

 

長引くコロナ禍による不自由な生活が続いていますが、そう言えば身近な人と話をしていても、最近疲れている人が増えている気がします。

 

知らず知らずのうちに、疲れやストレスを溜め込んでしまっていたかもしれません。

 

辛い時こそ互いに支え合いたいものですし、そんな人間同士の優しさや思いやりが感染防止に有効かもしれないなんて、ちょっぴり素敵な話ですね。

 

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