毎日忙しい中、職場での事務作業、対人関係の構築や維持、買い物や料理の手順など、一連のタスクを効率良くこなしてゆくには、目標を設定し、計画を立て、効果的に行動する必要があります。
それには嫌な気分で取り掛かるよりも、良い気分でいたほうが生産性が高まる気がします。
ところがこの世には、機嫌が悪いほうが生産性が高くなる人がいるのだそう。
研究のサマリーをシェアします。
2018年、カナダ ウォータールー大学のマーティン・S・ガベル氏とタラ・マコーリー教授による、私たちの感情に対する反応性が、日々の生活のタスクやストレスを乗り越えるために必要な思考スキルの種類に、どのように影響するかを調べた研究結果が発表されました。
研究には95人が参加しました。
参加者は、気分、感情に対する反応性、集中力、時間管理、優先順位付け、ワーキングメモリなど、生産性を測定する9つの異なる課題とアンケートに取り組みました。
次に研究者は、感情に対する反応性のテスト結果で参加者を2つのグループに分けました。
1つ目は感情の動きが速く、変化の激しい高反応グループで、いわゆる「陰気なタイプ」に多く当てはまります。
もう一方はよりおだやかでリラックスした低反応グループで、いわゆる「陽気なタイプ」に多く当てはまります。
データを分析した結果、次のようなことが分かりました。
1、陰気なタイプは、不機嫌な時に生産性が高くなりました。
2、一方、陽気なタイプは、不機嫌な時には生産性が低下しました。
3、また、陰気なタイプの場合、上機嫌な時には生産性を低下させました。
4、しかしそれは、陽気なタイプには当てはまりませんでした。
5、今回の結果から、気分が悪くても、日常生活で重要な思考スキルを磨くことができる人がいることがわかりました。
6、今回の結果を、感情を爆発させたり、過剰に反応したり、不機嫌になったりするのが良いことだと解釈すべきではありません。
7、なぜなら感情の反応性は、非常に早い時期から人によって異なることがわかっており、このような個人差は、後の発達段階での精神的健康に影響を及ぼすことがわかっているからです。
8、なぜ不機嫌なのに生産性が向上するのかについてはさらなる研究が必要ですが、いくつかの研究では、陰気なタイプはネガティブな感情を経験することに慣れているため、陽気なタイプに比べて、悪い気分があまり気にならないのかもしれないことが示唆されています。
出典:Personality and Individual Differences
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S019188691830093X?via%3Dihub
私自身、ピンチに陥ってドキドキしている時や、締め切りに間に合わなそうで焦っている時、脳味噌がフル回転して驚異的な速さで仕事をこなせた経験があります。
運よくギリギリ何とかなりましたが、辛すぎたのでもう二度とやりたくないです(涙)。
ところがこの世には、リラックスしている時よりもイライラしている時の方が、頭の回転が良くなる人がいるとのことですから驚きです。
もしこんな人が職場の上司で、仕事大好き人間だったらちょっと厄介ですね。
怒りの沸点が低く常にカリカリしていて細かい注意指摘が多く、仕事が早くて頭がキレるけど近寄りがたそう。
こんな人こそ怒りのスイッチが入らないよう何ごとも前倒しにして、いつも余裕でゆるゆると仕事をこなしてもらいたいものです。
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