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デジタルゲームが子どもの精神疾患の要因とは言えない

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「ゲーム障害」(Gaming Disorder)とは、ゲームへの異常なのめり込みを自分でコントロールできなくなり、生活がゲーム優先となって日常生活に問題が生じてしまう状態のことを指します。

 

2019年、世界保健機関(WHO)は、ゲームのやり過ぎで日常生活が困難になるゲーム障害をギャンブル依存症などと同じ国際疾病として正式に認定しました。

 

これにより、世界中で治療や研究が進みつつあります。

 

ある研究によれば、ゲーム障害と精神疾患との関連性は認められなかったそう。

 

サマリーをシェアします。

 

2020年、ノルウェー科学技術大学のビーテ・ヴォルド・ハイジェン氏を筆頭著者とする、子どものゲーム障害と精神疾患との関係を調べた研究結果が発表されました。

 

研究チームは、ノルウェーのトロンハイムにおいて、4歳のときから1年おきに、アンケート、テスト、詳細なインタビュー、観察によって追跡調査を続けてきた、702人の子ども達のデータを分析しました。

 

特に、ゲーム障害の子供たちの、精神疾患との関連を調査しました。

 

結果、次のような事がわかりました。

 

1、ゲーム障害の症状が強かった10歳と12歳の子ども達は、2年後の12歳と14歳のときに不安症の症状が少なくなっていました。

 

2、それ以外には、ゲーム障害と精神疾患との間に関連性は認められませんでした。

 

3、子どもたちは、ゲームによって不安の症状が増えるのではなく、むしろ減っていました。

 

4、これはゲームが気晴らしになって、子どもたちがネガティブなことを何度も思い出して落ち込む回数が、他の人よりも少なくなっているのかもしれません。

 

5、逆の関係は見つかっていないため、精神疾患にはゲーム障害以外の要因が関係していると考えられます。

 

6、不安症、うつ、注意欠如・多動症(ADHD)、反抗性障害についても調べましたが、これらの精神疾患の症状が多い子どもほど、ゲーム障害になりやすいという関連は見つかりませんでした。

 

7、これまでの調査結果によると、幼い子どもがスクリーンを過度に使用すると、感情を認識する能力が低下する可能性がありました。

 

8、しかし、ゲームを通じて貴重な習得体験をする子どももいますし、ゲームを通じて友情など社会的な一体感を得る子どもも少なくありませんでした。

 

9、この結果は、コロナ禍による外出規制期間中に、子どもにデジタルゲームを長時間使用させていた親達を安心させるかもしれません。

 

出典:The Journal of Child Psychology and Psychiatry

 

https://doi.org/10.1111/jcpp.13289

 

 

なんと、つい目の敵にしてしまいがちなゲームですが、ストレスの多いコロナ禍で子ども達の良い気晴らしになっていた可能性もあるそう。

 

私が子育てで学んだのは、親の価値基準で何かを禁止すると、かえって興味や執着心を掻き立ててしまうという事。

 

子どもがインターネットに夢中になった時、いくら禁止しても効果がなくて大変でしたが、付き合い方をどうすれば良いのか時間をかけて話し合い、最終的には落ち着きました。

 

子どもが夢中になっているゲームを親が否定すると、子どもは大事な友人を悪く言われたかのように反発します。

 

ですから、この研究で分かったように、ゲームのプラス面もあることを認めつつ、健康を害さないよう、ベストな距離感を一緒に考えるスタンスで寄り添っていくのも一案かもしれません。

 

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