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自分を肯定できれば他人にも寛容になれる

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ある調査によれば、過去20年の間、メンタルヘルス治療の受診状況は劇的に改善されてきましたが、メンタルヘルス問題の発生率は減少しておらず、むしろ増加傾向にあるそう。

 

これには人口増加、高齢化、治療不足など様々な原因が考えられていますが、現代社会の病的な自己批判傾向の為だと主張している研究者達もいます。

 

確かに、「上手くいかないのは自己責任」という考え方の人ほど、メンタルヘルスの問題を抱えやすく、適切な治療法の効果も低減してしまいそう。

 

グローバル化が進んでますます競争が激しくなっているのに、「成功できないのは本人の努力不足」という考えのままでは、自分を否定的に見てしまう人も増えてしまうことでしょう。

 

そのような、何でも自分のせいにする考え方や、いつまでも自分を赦せない性格は厄介ですが、研究者によれば、これは生まれ持った気質ではなく考え方の癖なのでトレーニングで改善できるそう。

 

トレーニングを受けることで、他人にも自分にも思いやりを持てるだけでなく、神経ネットワークにも良い効果が見られるとのことですから興味深いです。

 

サマリーをシェアします。

 

2020年 オーストラリア クイーンズランド大学のジェフリー・J・キム氏を筆頭著者とする、自分を思いやる心を育むトレーニングの神経生理学的効果を調べた研究結果が発表されました。

 

研究には、40名(女性27名、男性13名、平均年齢22歳)が参加しました。

 

研究者は、参加者の自己肯定と自己批判の傾向を調べるために、個人的なミス、挫折、失敗などに直面した状態を示す文章を計60個作成しました。

 

そのうち30個の文章は「私は人生の約束を守れていない」のように感情的で、残りの30個は「私は人生の約束を守る」のように中立的でした。

 

参加者はこれらの文章を読んで当てはまる度合いを自己評価しました。

 

その際、MRIスキャンで脳の神経反応を調べました。

 

次に、臨床心理士によって作成された、自分を思いやるマインドトレーニングの音声ガイドを聞いてもらい、副交感神経反応の指標となる心拍変動を測定しました。

 

参加者は、このマインドトレーニングの音声ガイド付きの瞑想を2週間続けた後で、再度心拍変動を測定し、データを比較しました。

 

結果、次のようなことが分かりました。

 

1、拒絶や失望に直面した時に自分を肯定し思いやった人は、脳の扁桃体にある恐怖心に関連する領域の神経ネットワークの活性化が抑えられ、感情が安定していました。

 

2、対照的に、これらの失望によって自分を批判し責めた人は、脅威や痛みに関連する脳領域の神経ネットワークの活性化が高まり、苦しさが増していました。

 

3、思いやりの心を育む2週間のトレーニングを行った後は、自分に対して肯定的な人も批判的な人も、心拍変動の増加によって測定される副交感神経の反応が好転していました。

 

4、これは、自分を思いやる気持ちを育むと、ネガティブな感情に対する恐怖心が軽減されることを示しています。

 

出典:Scientific Reports

 

https://www.nature.com/articles/s41598-020-63846-3

 

 

自分を思いやるとは、例えば自分に自信が持てないようなときに、そのことを見ないようにしたり、無理に自分のポジティブな面を思い出して気晴らししたりするのではなく、自信がないことを評価したり判断したりせず、優しさと同情をもって自分のことを考えるということです。

 

ありのままの自分に共感し、偏見を持たないことで、厳しく自己批判したり脆弱な自分を守ろうとして虚勢を張ったりすることを、避けることができるようになります。

 

若い頃って完璧主義になりがちな私でしたが、これまで沢山の失敗を経験して、他人や自分を思いやることを学べたと思います。

 

誰もが間違いや失敗をするものであり、それこそが人生であることを認識出来たのは、子育てのお陰だと思うのです。

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