仕事でもプライベートでも目標を設定しますけど、誰かと同じ目標を立てても達成度合いには差が出てくるものです。
周りを見渡しても、目標に向かって気合と根性で頑張る人もいれば、行動を自動化する手法を編み出す人もいるし、夢が叶った後の明るい未来のイメージを立ち上げて励みにする人もいます。
心理学者達はそんな性格特性について調査し、目標を達成しやすい性格があることを突き止めました。
サマリーをシェアします。
2019年、アメリカ オレゴン大学のリタ・M・ルートヴィヒ氏を筆頭著者とする、計画性と目標達成率との関係は、性格をもとに予測できるとする研究結果が発表されました。
研究者達は、参加者が日常生活を送りながら測定できる客観的な目標の進捗状況の指標として、ジム通いの回数を用いました。
この研究では、定期的にジムに通う予定の大学生282名を対象に、次学期のジム通いの計画について申告してもらいました。
また、ビッグファイブ理論に基づく性格検査を受けてもらいました。
その後、20週間にわたって彼らが学期中にジムに通った回数を追跡調査し、彼らの自己管理能力と、計画遂行能力を測定しました。
結果、次のようなことが分かりました。
1、ある性格特性スコアで高い点数が付いた人は、低い人に比べて、ジムへの参加率が高い傾向にありました。
2、それは研究者達が「計画性」(Plainfulness)と呼ぶ性格特性で、ビッグファイブ理論の5分類のうちの1つである「誠実性」(Conscientiousness)の一側面です。
3、計画性の性格特性の高い人は、自分を律する傾向があり、目標達成に意欲的です。
4、彼らは「目標があるときに明確な計画を立てることは重要である」と考えていました。
5、「計画性」の性格特性の高さを測定することで、本人の実行力と目標の達成度を予測することができると言えます。
6、彼らは目標を達成するために具体的な計画を立てており、それほど先の計画を立てていない人と比較して、ジム通い以外の領域でも積極的に行動し、目標を達成できる可能性があります。
出典:Psychological Science
https://journals.sagepub.com/doi/10.1177/0956797619868812
一般的な用語としての「計画性」(Planning)と、心理学の性格特性を示す「計画性」(Plainfulness)とは、日本語だとまぎらわしいですね。
一般に、計画をどれだけ細かく書き出せるかどうかが目標達成の鍵だと考えられていて、そのためのマニュアルがあったりします。
ところがこの研究結果では、計画を必ずしも紙に詳細に書き留めておく必要はなかったとのことですから意外です。
実際に、計画をどれだけ詳細に書いたかと、ジムに通う頻度とには関連がなかったそう。
性格特性は人それぞれの個性ですが、具体的に計画を立てることの重要性は心に留めて置きたいものです。
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