定期的な運動で体を動かすことは、精神にも肉体にも良い効果があることが知られています。
ですが強い不安やストレスを感じている人ほど、ジムでヨガのクラスに参加する、近所をランニングするなど、運動のモチベーションを保つのは難しいもの。
特に精神的に疲れている時は、スポーツで汗を流した方がスッキリするとわかっていても、家事や身の回りのことをするだけで精一杯ということもありますね。
研究で、通常のウォーキングにちょっとしたマインドフルネスを加えることで、ストレスや不安を解消できることが明らかになりました。
マインドフルネス(Mindfulness)とは、アメリカの研究者が集中力を高めるトレーニングとして、東洋の座禅からヒントを得て考案したと言われていて、今ここで起きている事に意識を向けることです。
サマリーをシェアします。
2018年、アメリカ ペンシルベニア州立大学のヤン・チーシャン博士を筆頭著者とする、覚醒時の運動行動(動く、立つ、座るなど)におけるマインドフルネスが、ネガティブな感情に影響を与えるかどうかを調べた研究結果が発表されました。
研究には、158人の大学生が参加しました。
携帯電話のアプリを使い、起きている間の移動行動のデータを14日間取得しました。
また、所定のタイミングで参加者自身の思考、感情、行動、環境、起こっている事象について回答してもらいました。
結果、次のようなことがわかりました。
1、座っている場合と比較して、体を動かしている時の方がストレスは減少傾向にありました。
2、その場で起きていることに集中できている人ほどストレスや不安のレベルが低く、動きを伴うマインドフルネスが、ネガティブな感情を軽減していることを示しました。
3、マインドフルネス瞑想とウォーキングを結びつけると、ストレス、不安症、抑うつなどの、多くのマイナス感情が減少しました。
4、マインドフル・ウォーキングとは、歩いているときにその場にいることを意味し、次のような方法で行います。
①周囲の環境に意識を向け、物事に気付き、感謝する
②過去や未来のことは考えずに、思いが湧いてきたことに気づいたら手放す
③息を吸ったり吐いたりすることに集中する
5、日常の動作を伴う行動と、マインドフルネスの実践を統合することで、より大きなメンタルヘルス上のメリットが得られる可能性があります。
出典:Psychology of Sport and Exercise
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S1469029217308178
マインドフル・ウォーキングは、定期的な瞑想や運動を続ける時間のない人や、モチベーションが続かない人におすすめだそう。
忙しくてエクササイズに時間を割けないワーキングマザーにも有効かもしれませんね。
本格的なエクササイズや瞑想に比べて、歩くだけなら随分ハードルが下がります。
ちょうど出かける用事があったので、実際に歩きながら「今ここ」に意識を向けて、歩いている時の足裏の感覚や、風が顔に当たる感触や、自分の呼吸に意識を集中してみました。
途中、「昨日は忙しかったな」とか、「明日のお弁当の準備どうしよう」とか、雑念が湧いてくるのですが、その度に「雑念、雑念」と振り切って、また「今ここ」に戻ります。
ほんの10分ほどなのであっという間に終わってしまいましたが、頭の中をぐるぐる回っていたタスクが整理されたような気がしてちょっとホッとしました。
わざわざ瞑想の時間を取らなくても、歩いている今に集中することでストレスが軽減されるなんて喜ばしいですね。
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