ダイエットを頑張るとか、仕事で必要な資格を取るとか、何か始める時にはまず目標を設定するもの。
その方法は人によって様々ですが、心理学的に、夢が叶いやすい目標の立て方が研究されています。
サマリーをシェアします。
2020年、スウェーデン ストックホルム大学のマーティン・オスカーソン氏を筆頭著者とする、効果的な目標設定に関する情報提供やサポートを行うことで成功確率を高めることができるのかを調べた研究結果が発表されました。
研究には、SNSでの呼びかけに応じた、1066人の一般市民が参加しました。
参加者を次の三つのグループに無作為に振り分け、グループごとにサポート内容を変えました。
〔①サポート無し〕年3回のフォローアップのみ
〔②最小限のサポート〕年12回のフォローアップ、目標達成のための追加情報提供
〔③手厚いサポート〕目標設定方法ガイダンス、年12回のフォローアップ、目標達成のための追加情報提供
その上で、参加者に自分の年間目標を報告してもらいました。
参加者を追跡調査し、1年後の達成状況を10段階で評価してもらいました。
研究者達は、70%以上のスコアを獲得した場合を成功、それ以下を失敗として、参加者の成功率を評価しました。
結果、次のようなことがわかりました。
1、三つのグループの成功率は、以下の通りでした。
〔①サポート無し〕55.9%
〔②最小限のサポート〕62.3%
〔③手厚いサポート〕52.5%
2、意外なことに、手厚いサポートを提供してもほとんど効果がありませんでした。
3、その一方で、目標の立て方については、有意差が認められました。
4、「〜を避ける」「〜をしない」など、否定形の目標を立てた参加者の成功率が47.1%でした。
5、ところが、「〜を始める」という肯定形の目標を立てた参加者の成功率は58.9%でした。
6、肯定形の目標を立てた場合、目標に向けての努力を継続しやすいことが示されました。
7、目標を設定する際には、避けようとしている否定形ではなく、何をするかという肯定形で表現すると、継続できる可能性が高くなると言えます。
出典:PLOS ONE
https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0234097
サポートをすればする程効果が出そうな気がしますが、サポートが手厚すぎるとかえってダメになるとは意外です。
その要因としては、ある時点を機にサポートを受けても効果が上がらなくなる現象が生じたのではないか、とのこと。
子育てしていれば思い当たるフシがありますね。
子どもに「勉強しなさい」とガミガミ言って急かすよりも、むしろ何も言わず放置していた方が最終的には成績が良くなるってよく聞く話です。
それ以上に研究者達が驚いたのが、目標の立て方による成功率の違いでした。
私自身、仕事で業務目標を設定する際、否定形が多かったので反省です。
×「人件費予算の計上ミスを無くす」
↓
◎「確認作業を念入りに行う」
×「お菓子を食べるのを止める」
↓
◎「1日に1回フルーツを食べる」
こんな風に否定形を肯定形に書き換えるだけで、1年後の成功率が2割増しになるとは見逃せません。
いくら素晴らしい目標を立てても、途中で挫折してしまっては無駄になってしまいますから、計画の立て方に注意して、成功率を上げていきたいものですね。
果たして本当にこの研究結果は正しいのか?
自分の目標設定で検証してみます。
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