幸せになろうと頑張っているのに、なぜか空回りしてしまう時があります。
それにも関わらず、「楽しまなくてはならない」というプレッシャーが強すぎると、うつ症状が増えることがわかっています。
つまり、無理に幸せを感じようとすると、かえって幸福感は遠ざかってしまうのです・
研究で、幸せが遠ざかりやすいタイプについて明らかになりました。
サマリーをシェアします。
2019年、イギリス レディング大学ヘンリービジネススクールのバーラム・マフモディ・カーライツ博士を筆頭著者とする、ポジティブな情報とネガティブな情報に対する、感情の調整力を調査した研究結果が発表されました。
研究には441人(男性51人、女性390人、平均年齢=20歳)の大学生が参加しました。
参加者に幸せを重視する傾向を測定する検査を実施し、そのデータを過去にアメリカで行われた検査データと比較しました。
結果、次のようなことがわかりました。
1、イギリス人とアメリカ人は、幸福感を重視する傾向が強く、うつ病を誘発しやすい傾向が示されました。
2、彼らは期待通りの幸福が手に入らない場合に絶望する事が多く、他のポジティブな経験に意識を向けることや、別の楽しい出来事を味わうことが苦手な傾向にありました。
4、しかしEU諸国(東欧、アイルランド、ドイツ)の人では、この傾向はそれほど強くありませんでした。
5、私たちが幸せについてどう考えるかに関しては、文化が重要な要因であることが示唆されました。
出典:Journal of Happiness Studies
https://link.springer.com/article/10.1007%2Fs10902-019-00193-9
衝撃の研究結果です。
お国柄って確かにありますけれど、幸せになりにくいかどうかが文化の違いで決まるなんて‥。
私の個人的な経験では、イギリス人もアメリカ人も、日本人に比べたらずっと明るいし、気持ちの切り替えも上手です。
どこの国の人であろうと、幸せを引き寄せやすいか遠ざけやすいかは、本人の価値観次第だと思います。
この研究では、イギリス人やアメリカ人は、幸福を重視するあまり、幸福ではないけれどポジティブな状態に満足することができず、うつ状態になりやすいそう。
彼らは「幸福とはこうあるべき」との期待値がとても高く、もし思い通りにならなかった時に、「まあ、いいか。」という風に考え方を転換することができず、絶望してしまうのです。
確かに幸せを求めて努力したのに上手くいかなかったときの失望感は、最初から諦めて努力しなかったときよりも深くなってしまうでしょう。
とはいえ幸福を追求することは誰にとっても大切な心の拠り所ですから、子ども達に努力は時間の無駄などと考えて欲しくありません。
子どもには、たとえ夢が破れたとしても絶望する必要なんてなくて、発想を柔軟に切り替えれば小さな幸せが身近にもあることを教えて行きたいですね。
人生、上手くいく時ばかりではありませんが、幸福の価値基準を1つに絞らずに、幾つもの幸せの基準を持ち合わせていた方が、ずっと生きやすい気がします。
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