笑顔が大事ってよく言われます。
確かに、鏡の前で笑顔を作るだけで何だか気分が上がります。
その反対に、悲しい顔をすると何となく気分が沈みます。
このように、顔の表情を笑顔にすることで気持ちも前向きになることを、私たちは半ば常識のように思っています。
しかしこの考えについては、実は100年以上前から心理学者の間で意見が分かれていて、1970年代初頭から検証が行われてきました。
これまでの検証結果をまとめた研究があります。
サマリーをシェアします。
2019年、アメリカ テネシー大学のニコラス・アルバロ・コールズ氏を筆頭著者とする、顔の表情の変化が感情に及ぼす効果を調べた研究を分析した結果が発表されました。
研究者達は11,000人以上を対象とした138件の研究論文を分析しました。
結果、次のようなことが分かりました。
1、顔の表情は確かに人の気持ちにわずかな影響を与えることがわかりました。
2、しかしその効果は小さく、均一ではない傾向がありました。
3、なので作り笑顔をすれば人が幸せになれるとは限りません。
4、今回の発見は、心と体がどのように相互作用して、私たちの意識的な感情体験を形成しているのかを知る手がかりとなるものです。
出典:Psychological Bulletin
https://doi.apa.org/doiLanding?doi=10.1037%2Fbul0000194
一般的に、日常的に笑顔でいるよう心がけることはメンタルヘルスの向上につながると考えられていますが、そんな笑顔も万能ではないということ。
何故なら一口に笑顔と言ってもその内容は様々だから。
楽しい時に自然に溢れる笑顔だけでなく、社交上の嘘の笑顔や、仕事上の営業スマイルなどもありますね。
自然な笑顔は健康に良い影響を及ぼしますが、無理をしての作り笑いや、本心を偽ったうわべだけの笑顔は、かえってストレスの要因になってしまうでしょう。
そうはいっても接客業の人などは、プライベートで悲しいことがあったとしても、勤務中は笑顔でいることが求められますから過酷です。
ストレスを和らげようと、無理して偽りの笑顔を続けていても、メンタルヘルスに良い影響は与えません。
むしろ塞いだ気持ちを笑顔でごまかそうとして、沈んだ気持ちがさらに悪化してしまうことも‥。
また、多忙で大変な毎日を笑顔で前向きに乗り越えているワーキングマザーやシングルマザーは沢山いると思います。
もしも親が倒れてしまったら、大変な想いをするのは子ども達ですから、心身のコンディションにはよくよく気をつけなくてはいけません。
本当は心身ともに疲れ切っているのに、子どもに心配をかけたくないからと無理矢理作り笑いするのが普通になってしまうと厄介です。
そんな時こそ、問題の根本を解決すべく思い切った対処が必要なタイミングと言えるでしょう。
子育てに喜びを見出し、自然に笑みが溢れる心の余裕を持てるよう、忙しい毎日でも自分を振り返る時間を大事にしたいですね。
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