幸せになろうと前向きに努力する人は多いもの。
ですが、英語を勉強して資格を取得するとか、仕事で高い成果を出して出世するとか、そういう他の目標とは異なり、「幸福を追求する」という目標が実際に幸福の獲得に繋がるケースはほとんどないそうです。
それどころか、幸せになろうと躍起になればなるほど、かえって目標を見失いがちになることが研究で明らかになりました。
サマリーをシェアします。
2018年、アメリカ ラトガース大学ビジネススクールのキム・エギョン氏と、カナダ トロント大学スカボロー校のサム・J・マグリオ氏との共同執筆による、幸せを求めることが、時間の有効性の認識にどのような影響を与えるかを調べた研究結果が発表されました。
研究の1つには、170人の学部生が参加しました。
学生たちは次の4つのグループに振り分けられました。
Aグループ:映画を見ながら幸せを感じるよう指示され、Mr.Beanのコメディ映画を視聴
Bグループ:映画を見ながら幸せを感じるよう指示され、橋梁建設の真面目な映画を視聴
Cグループ:映画を見ている間は自然な感情に身を任せるよう指示され、Mr.Beanのコメディ映画を視聴
Dグループ:映画を見ている間は自然な感情に身を任せるよう指示され、橋梁建設の真面目な映画を視聴
映画を観た後、質問に答えてもらいました。
結果、次のようなことがわかりました。
1、幸せを感じるよう指示されたグループは、指示を達成するには時間が足りないことに焦り、幸せを感じなくなっていました。
2、対照的に、自然な感情に身を任せるよう指示されたグループは、そのような焦りを感じることはなく、結果的に幸せになっていました。
3、今回の研究で、幸福の追求が皮肉にも幸福感を損なうことが示唆されました。
4、幸せを、追求し続けなくてはならない目標として設定すると、時間が足りなく感じられて焦りが生じてしまいます。
5、幸福を追求するという際限のない目標を気にしないことで、結果的に心の余裕が出来、幸福感が高まるかもしれません。
6、私たちは皆立ち止まって、自身の成果を楽しむ時間が必要であることを思い出すべきでしょう。
出典:Psychonomic Bulletin & Review
https://link.springer.com/article/10.3758/s13423-018-1436-7
驚きで言葉を失う研究結果です。
「幸福を追求する」という目標を意識すると、かえって不幸になってしまうなんて切なすぎます。
確かに、すでに幸福だったら、そもそも幸福を追求しませんよね。
すでに得ているものを、これから頑張って得ていこうとは思いませんから。
つまり幸せって「追求する」ものではなく、自分の心が「なる」ものであるということ。
仕事と家事と育児に追われる毎日が幸せなのかどうか?
それは自分が決める事であって、頑張って獲得するものでも、他人に評価されるものでもないということになります。
子育てをしていると、次々に珍事が起きて飽きる暇すらありません。
確かに大変だし、毎回苦労するのですけれども、不幸とは言えませんね。
そう考えると、土台の部分では幸せなのですが、忙しすぎて最近忘れてしまっていたことに気づいて反省しました。
現実世界がどうであれ、心の中はいつも幸せでいたいものです。
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