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溜め込み症の人が物を手放せない理由

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お気に入りのモノに囲まれた暮らしは女子の憧れですが、衣類や思い出の品などを、必要以上に集めすぎて捨てられない人もいます。

 

家にものが溢れすぎて生活に支障が出るような場合、もしかすると「溜め込み症」という精神疾患の傾向があるのかもしれません。

 

溜め込み症は10代に発症することが多く、最初は症状が軽いのですが、数十年をかけてゆっくり悪化していくのが特徴です。

 

もし本人が病気と自覚しないまま症状が進行すれば、やがて自宅が「汚部屋」や「ごみ屋敷」へと変わり果ててしまう恐れも。

 

溜め込み症は、以前は脅迫症の一種と考えられてきました。

 

それが2013年、アメリカ精神医学会が定める精神疾患の国際的診断基準で病気と定義され、精神疾患の一つとして注目されるようになったのです。

 

溜め込み症には強迫症と似た症状もありますが、強迫症に有効な治療がほとんど効かないのが厄介です。

 

ある報告によれば溜め込み症患者のうち、薬物療法と認知行動療法に反応したのはわずか18%に過ぎないとのこと。

 

これには、患者自身の治療意欲が低いことが関係しているようです。

 

そんな溜め込み症患者に対して、心に働きかける治療法が検討され始めています。

 

サマリーをシェアします。

 

2019年、イギリス バース大学のニック・スチュワート博士を筆頭著者とする、溜め込み症の人が抱えている思い込みを調べた研究結果が発表されました。

 

研究では、27人の溜め込み症の患者とそうではない28人を対象に、持ち物に関するインタビューを行いました。

 

また、物を捨てようとするときに思い出す記憶についても尋ねました。

 

結果、次のようなことが分かりました。

 

1、溜め込み症の人は、自分の持ち物をどこで買ったか、関連する人物は誰か、どんな用途で使ったかを鮮明に覚えていました。

 

2、彼らは物にまつわる思い出を楽しむ一方、いざそれらを捨てようとする際には、思い出が邪魔になっていました。

 

3、一方、溜め込み症でない人は、物を捨てようとする際、物に関する鮮明な記憶を思い出さない傾向にありました。

 

4、彼らは物を捨てる時、思い出の記憶を脇に置いておくことができるので、部屋が散らかり放題になるのを避けられているようです。

 

5、溜め込み症の人が物を捨てられないのは、物に対し強い思い入れがあるためだとわかりました。

 

6、彼らの大切な記憶が物を捨てる妨げとなっているため、心の中のイメージを書き換えることが、治療に有効と考えられます。

 

出典:Behavior Therapy

 

https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0005789419300450?via%3Dihub

 

 

つい、物を溜め込んでしまうのは、思い出にとらわれているせいかもしれません。

 

そのような場合は、

 

「物を捨てることで大切な人の愛情の証を失うのは恐ろしい」

 

 

「物を捨てて清潔になった部屋で家族と食事をすると楽しい」

 

のように、心の中にあるイメージを書き換えることで、問題を解決できるのではないかということです。

 

ちなみに、多数のモノを収集するコレクターは、溜め込み症とは対照的と考えられているそう。

 

どれだけ大量に収集しても、収納物はきちんと整理され体系的に保管されるからです。

 

物を溜め込んでなかなか捨てられないという時は、自分のスボラな性格を責めたり、整理能力が低いのだと決めつけたりするよりも、自分の心と対話してみるのが先かもしれません。

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