子どもが良からぬ言動をしたとき、「親の顔が見たい」などと言われます。
そのとき想定されている親って、たいてい母親ではないでしょうか。
ところが心理学によれば、父親の方が母親よりも子どもに強い影響を及ぼしているとのことです。
サマリーをシェアします。
2012年、アメリカ コネチカット大学の、アブドゥル・カリーク教授とロナルド・P・ローラー教授による、親の受容が子どもの性格へ及ぼす影響の調査結果が発表されました。
この研究では、過去50年にわたる500件以上の研究論文が調査、分析されました。
結果、次のようなことがわかりました。
1、人格形成に最も強い影響を与えていたのは、幼少期の親による拒絶でした。
2、人種、文化、性別を問わず、親や養育者など愛着のある人物から拒絶されたと感じている人は、不安や恐怖を感じやすくなる傾向がありました。
3、中には、他人に対する敵意や攻撃性を持つようになる場合もありました。
4、子供時代の拒絶による感情的な苦痛は、肉体的な苦痛と違って成長後も残ることが多く、他人と強い信頼関係を築くことが困難になる傾向がありました。
5、父親、母親、どちらの親に拒絶されても、子どものトラウマになっていました。
6、しかし母親からの拒絶よりも、父親からの拒絶の方が影響が大きく、ダメージが長期に及ぶことがわかりました。
7、一般的に、父親の方が母親よりも威信や権力を持っている場合が多いため、子どもは父親に拒絶されたことをより強く受け止めてしまうと考えられます。
出典:Personality and Social Psychology Review
つまり、子育ての問題を何でも母親のせいにするのは不適切だし、問題の解決にはならないということです。
日本の母親は家庭や育児との関連が強い存在なので、子どもの問題行動や不適応や成績不良が判明した場合、すぐ母親の責任にされる傾向があります。
でも実際には、母親よりも父親の方が問題に深く関与している場合もあるかもしれません。
意外な研究結果のように思われるかもしれませんが、巷には子どもと父親との確執がテーマになっている小説や漫画やアニメが多く存在しています。
それだけ、子ども時代の親との関係に傷ついた人が多い時代なのかもしれません。
子育てを頑張るパパ達には、父親の影響力の大きさを自覚し、誇らしく思っていただきたいものですね。
また、ひとり親の場合、自分だけで全ての責任を抱えこむのは難しそうです。
状況が許せば、子どもが頼れる大人を自分以外にも確保しておくのが良い気がします。
時代が変われば、それまで正しいと思われていた考え方も変わって行くことがあります。
新しい考え方を、柔軟に取り入れてゆきたいものです。
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