急速に発展したSNSにより、私たちは大きな恩恵を受けています。
デジタルネイティブと呼ばれる現代の子どもたちは、そんな親世代よりずっと上手にテクノロジーを使いこなしているようにも見えます。
ですが、SNSでの暴言に起因する若者の自殺の増加は、世界各国で問題視されています。
過激な意見を持つ個人がオンライン上でグループ化し、特定の誰かを集団で攻撃する事件が後を絶ちません。
便利で有用なSNSの負の側面について、親としては気がかりでなりません。
研究では、複数のSNSで相互に繋がったグループによって、攻撃的な意見が拡散されていることが明らかになっています。
サマリーをシェアします。
2019年、アメリカ、ワシントン大学のニール・ジョンソン教授を筆頭著者とする、SNS上のヘイトネットワークの拡散についての研究結果が発表されました。
研究者たちは数学モデルを用いて、なぜ、ネット上のヘイトを規制しても強い回復力があるのかを調べました。
研究では、オンライン上のヘイト集団の発展経緯をマッピングしました。
複数のSNSを分析した結果、次のようなことがわかりました。
1、ネットの世界では、隣り合った他のSNS同士が非常に複雑に繋がっていました。
2、SNS上で悪意ある攻撃的な書き込みを行っている人達は、アカウントを凍結されてもすぐに関係を繋ぎ直し、別のSNSで再び結託していました。
3、相互に結びついた彼らはグループ化し、SNSのプラットフォームを横断し、オンラインの仕組みに適応し、拡散を続けていました。
4、そのため、単一のプラットフォーム内だけでの取り締まりはかえって問題を悪化させ、最終的には仮想世界全体でのヘイト総量を増加させていることがわかりました。
5、今後の対策としては、アンチヘイトのグループを利用することや、特定の集団が他の集団へ食い込もうとする行動の制限などが考えられます。
出典:Nature
https://www.nature.com/articles/s41586-019-1494-7
攻撃的で悪意のある書き込みを行う集団を一つのSNSから追放しても、彼らはすぐに別のSNSに移動し、批判的な書き込みを続けているということです。
もし、自分が利用している全てのSNSで、見知らぬ人から一斉に攻撃や悪意ある批判を受けたとしたら、全世界から存在を否定されたような気分になって落ち込んでしまうでしょう。
しかしそれは、特定の同じ集団が行っている可能性があります。
そのことは、子ども達に伝えておきたいです。
リアルの世界では、学校と学習塾と習い事と家庭は別々の存在です。
でもネットの世界では、複数のSNSは全てひとつに繋がった存在であるということ。
子ども達がネットの世界にのめり込み過ぎないためにも、リアルの世界での関係が大事ですね。
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