子どもの反抗期は、精神発達において必要な過程であり、指示に対して拒否、抵抗、 反抗的な行動をとることの多い期間と言われています。
特に第二次反抗期と言われる思春期って、親にとっては試練の時期ですね。
子どもが親と口を利かなくなったり、揚げ足をとってきたり、自室に引きこもったり、暴力的になったりするので、家庭内が殺伐としてしまうこともあります。
そんな、家のなかではわがまま放題に見える思春期の子ども達ですが、実は不安で自信がなく、他人の意見に流されたり、空気を読んで周りに合わせたりしやすいそうです。
研究のサマリーをシェアします。
2020年、イギリス、オックスフォード大学の、イモージェン・ラージ教授を筆頭著者とする、思春期の子どもと社会的な影響力に関する研究論文が発表されました。
6歳から14歳までの155人の子ども達が実験に参加し、ねじれている物体を操作するコンピューターゲームを行いました。
子ども達にはアドバイザーがついていて、彼らは物体がどちら側にねじれているかについて、時たま誤った情報を与えました。
結果、次のようなことがわかりました。
12歳までの子どもは、自分の目で見た情報を信じ、アドバイザーの間違ったアドバイスを無視する傾向が高くなりました。
しかし、12歳以降の子どもは、自分の目で見たものを無視して、他人のアドバイスに従う傾向が高まっていました。
中には、明らかに間違ったアドバイスであるとわかっていても、集団のコンセンサスに従ってしまう子どももいました。
12歳以降の子どもは、他人や社会からの影響を受けやすくなることがわかりました。
出典:Proceedings of the National Academy of Sciences
https://www.pnas.org/content/116/7/2713
つまり、思春期の子ども達は、親など身近な存在には反抗するのに、社会的な影響は受けやすく、集団の空気を読んでいるということ。
親に対して強がっているのも、自信のなさの表れかもしれません。
そんな子ども達に親の立場からアドバイスをするのは逆効果でしょう。
私の経験から言っても、親の言うことを聞かせようとするよりも、子どもの成長のためになる環境を用意するほうがずっと効果的でした。
子どもが社会的な関わりや良い人間関係を自分で増やしていけるよう、イベントや学びの場所を用意して、本人の選択をアシストするのです。
子どもが思春期を迎えたら、様々な大人と関わり、視野を広げられるような環境を整えたいものです。
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