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心も健康な大人に育てるには

昨今、心の健康についての関心が高まってきています。

 

なんと、子供時代の温かな親子関係の記憶は、大人になってからのうつ病や慢性疾患の減少につながっているとのこと。

 

楽しい子供時代の記憶を沢山持っているかどうかが、中高年以降の心身コンディションに関係しているという研究結果があるのです。

 

子どもと楽しく過ごすことに、そんな効果があるのでしょうか?

 

サマリーをシェアします。

 

2018年に発表された、ミシガン大学のウィリアム・チョピック博士らの研究では、18年間の追跡調査に7,108名が参加し、6年間の追跡調査に15,234人が参加しました。

 

約22,000人以上のデータをもとに、幼少期の養育の記憶と、心身の健康状態の経過との関連を調べました。

 

結果、次のようなことがわかりました。

 

1、幼少期に親の愛情が強かったと記憶している人は、その後の人生でうつ病になることが少なく、よい健康状態を保っていました。

 

2、当初、子供時代の記憶は、大人になるにつれて重要性が薄れていくと予想されていました。

 

3、ところが参加者達は、50年以上も前に起こったことを覚えており、その記憶と、人生の半ばから後半にかけての心身の健康との間には関連がありました。

 

4、子ども時代の良い記憶が、その後の人生の健康や幸福によい影響を与えていることがわかりました。

 

出典:Health Psychology

 

https://doi.apa.org/doiLanding?doi=10.1037%2Fhea0000694

 

 

子ども時代の記憶って、こんなにも影響力の大きいものだったのですね。

 

記憶力は、テストでよい点を取るとか、過去の出来事を整理するとか、未来の行動を判断するとかだけでなく、私たちが世の中を理解する上で大きな役割を果たしているようです。

 

子どもの記憶について、これまで親として意識したことはありませんでした。

 

「親は自分を愛してくれた」という記憶が多いか、少ないか。

 

それが子どもの人生に大きな影響を及ぼすとは驚きです。

 

昔、厳しく躾けることが推奨されていた時代もありました。

 

しかし研究結果を見る限り、「心の強い子に育てるために厳しく育てる」というのは当てはまらないようです。

 

子どもを虐待する親の「躾のつもりだった」という主張も通用しなくなりますね。

 

その反対に、「親子で仲良く過ごす、一緒に楽しく遊ぶ」

 

こういう機会を沢山作るのは、甘やかしではないということ。

 

私が残念に思うのは、日本の子どもたちの自己肯定感がとても低いこと。

 

そして10代の自殺率が増えて続けていること。

 

親が思う以上に、子どもたちを取り巻く環境は、殺伐としているのかもしれません。

 

だったら、なおのこと、親がよい記憶を残してあげたいもの。

 

「あなたには愛される価値がある」

 

「あなたには長所がある」

 

親としてこのことを何度でも伝えたいし、子どもの居場所になりたいです。

 

そして、大事なのはどう記憶に残すかであって、お金をかけたかどうかではないということ。

 

親子で共通の趣味を楽しんだり、自宅でパーティーしたり、イベントに出かけたり。

 

そんな楽しい記憶が風化しないよう、しっかり写真に残そうと思います。

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