「ドッグセラピー」(Dog Therapy)とは、動物を使った治療方法の一種で、高度に訓練されたセラピードッグとの触れ合いや交流を通じて癒しを得るだけでなく、精神的情緒的安定や、身体運動機能回復効果も期待できると言われています。
研究で、セラピードッグとの触れ合いにより、ストレスを抱えた学生の思考力が向上することが明らかになりました。
サマリーをシェアします。
2021年、アメリカ ワシントン州立大学のパトリシア・ペンドリー博士を筆頭著者とする、ストレスレスマネジメント教育による学習効果と、セラピードッグによる癒し効果をストレスレベル別に比較検討した研究結果が発表されました。
研究には健常な生徒とリスクのある生徒(精神疾患、学業不振、学習障害、自殺願望を経験したことがあると証言した生徒など)を含む309人の大学生が参加しました。
参加者を無作為に次の3つのグループに分け、毎週1回60分のワークショップを4回行いました
①セラピードッグと触れ合うグループ
②ストレスマネジメント教育を受講するグループ
③セラピードッグとの交流とストレスマネジメント教育を半分ずつ混合して受けるグループ
3種類のワークショップの効果を、参加者のリスクの状態別に検証しました。
結果、次のような事がわかりました。
1、セラピードッグとの触れ合いが、認知能力の向上において最も高い効果を示しました。
2、すでに何らかの問題を抱えている学生に対しては、ストレスマネジメント教育はあまり効果がないことが示唆され、これは、セラピードッグとの交流とストレスマネジメント教育を半分ずつ混合して受けた場合も同様でした。
3、大学が提供するストレスマネジメント教育では、目標設定、睡眠時間の確保、ストレスや不安の管理などのアドバイスを行いました。
4、これらは非常に重要なテーマであり、典型的な学生にストレスを管理する方法を教えることで、健常な学生の役に立っていました。
5、しかし今回の調査では、この種の教育ワークショップは、すでに問題を抱えている学生にはあまり効果がないことが示唆されました。
6、彼らはストレスマネジメント教育を大学の講義のように受け取ったため、受講によって更にストレスが高まったと考えられます。
7、最もストレスレベルが高く危険な状態にあった学生は、セラピードッグとの交流によって最も高い改善効果が確認され、この結果は6週間後の追跡調査でも変わりませんでした。
8、大学はリスクのある学生を対象に、セラピードッグによる癒しを重視したプログラムの提供を検討すべきであると言えます。
出典:AERA Open
研究によれば、学生の記憶力、計画性、モチベーション、集中力は、セラピードッグと触れ合うことで、ストレスマネジメント教育以上に向上したそうです。
学生である以上、成績のプレッシャーは付きまとうものですが、ただ冷静になるだけでは学問を吸収することはできないのですね。
特にストレスを抱えやすい学生にとって、心を穏やかに保つことが学習の基礎になるとは親として考えさせられます。
思うように勉強が進まないなど、焦って心に余裕がない時こそ自分を追い込んでしまいがち。
そんな時こそ上手なストレス解消が、一見遠回りのようで実は突破口になるかもしれない事を子どもにも伝えたいですね。
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