日常のストレス要因が幸福に及ぼす悪影響について様々な研究が進み、精神だけでなく身体にもダメージが及ぶことが判ってきています。
生きていれば何かしら思いがけない出来事が起き、ストレスを感じてしまうもの。
家族と口論したり、思いがけない仕事の納期を示されたりした後の欲求不満を友人に共有すると「ただそれを手放せば良い」などと言われる事があります。
ですが、そのアドバイスは一体どれほどの効果があるのでしょう?
研究で、このアドバイスの有用性がはっきりしました。
サマリーをシェアします。
2018年 アメリカ カリフォルニア大学アーバイン校のケイト・A・レガー博士を筆頭著者とする、日常的なストレスによるネガティブな感情への対処が、長期的な健康に及ぼす影響を調べた研究結果が発表されました。
研究には、30歳から85歳までの2,022人のアメリカの成人が参加し、健康状態に関する質問票に回答しました。
研究者達は参加者に、日々の経験について電話でインタビューを行う8日間連続の日誌調査を実施しました。
その10年後、参加者の健康状態について追跡調査を行いました。
日常的なストレス要因に対するネガティブな感情の残存を評価するために、調査期間中に少なくとも1つのストレス要因を経験し、かつ全ての変数について適切なデータが得られた1,155人を分析対象としました。
結果、次のようなことがわかりました。
1、電話インタビューを受けた人の55%が、その日に何らかのストレス要因により、ネガティブな感情を経験したと報告しました。
2、そして、ストレス要因が発生した翌日以降のインタビューで、このストレス要因に関連したネガティブな感情が、人によっては長引く可能性が示唆されました。
3、このようなネガティブな感情を放置していた人は、10年後の健康状態が最も悪化していました。
4、このことは、健康上の結果は、人々が日々のストレス要因にどのように反応するか、あるいは晒されているストレス要因の数が多いか少ないかを反映しているだけではないことを意味しています。
5、思い通りにならないことは、私たちの職場でも、学校でも、家庭でも、人間関係でも日常的に発生します。
6、ストレス要因となるイベントが起きた翌日にどのようにネガティブな感情を抱くかには、身体的健康に重要な影響を与える可能性があります。
7、私たちの研究では「ただ、それを手放す」という戦略が、私たちの長期的な身体的健康に有益である可能性を示しています。
出典:Psychological Science
研究者は、健康のための最良の戦略は、感情を解放することだと説明しています。
ストレスを感じるのは人として自然な事ですが、ストレス要因が発生した日のネガティブな感情が、翌日以降に引きずることで増幅され、精神障害、身体的病気、さらには死亡率などの結果にも関連するそうですから恐ろしい。
日々のちょっとしたイライラをその日のうちに解消し、ネガティブな感情を手放して翌日に持ち越さない習慣が、後々の健康状態に関連しているというのですから、忘れっぽい性格って実は素晴らしいということになります。
忙しい日常の中に、ほんのちょっとの楽しみや小さな喜びがあるだけで気分はアガりますから、お気に入りの飲物や音楽などを用意して、頑張った自分をちゃんと労ってあげなくては‥。
10年後の自分の健康のため、不要な悪想念はさっと手放し毎日ご機嫌で過ごしたいものです。
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