毎日の生活の中で、ちゃんと頭を使って考えて、意思を持って行動していることと、慣れていて目をつぶっていても苦もなくできることってあります。
研究によれば、何かを繰り返し続けていると、それが習慣化されてゆくのだそう。
サマリーをシェアします。
2018年、アメリカ プリンストン大学のケヴィン・J・ミラー氏を筆頭著者とする、単純作業の繰り返しが、人間や他の生物の習慣にどのようにつながるかを数学的にモデル化した研究結果が発表されました。
研究チームは、マウスがレバーを押して報酬を得るという計算モデルを開発しました。
そして、習慣形成の数理モデルのシミュレーションを行いました。
結果、つぎのようなことが分かりました。
1、レバーを押すと報酬がもらえるように訓練を受けたマウスは、報酬を得られなくなってもレバーを押し続けました。
2、つまりマウスは、一度報酬により習慣が形成されると、その後は報酬を得ていないにもかかわらず、それまでやっていたことをやり続けるようになりました。
3、報酬が無くなっても、ひとたび身に付いた行動習慣は無くならないのです。
4、マウスは人間とは明らかに異なりますが、反復は人間に対して驚くべき力を持っています。
5、我々のモデルは、習慣自体は本人の過去の反復行動の産物であり、特定の状況下では、その習慣自体が、報酬に取って代わる可能性があることを示唆しています。
出典:Psychological Review
https://www.biorxiv.org/content/10.1101/067603v4
この研究によれば、新しい習慣を形成する鍵は、単に繰り返すことにあるそう。
元々は何かの目的があった行動でも、続けるうちに習慣化されれば、当初の目的が無くなった後でも続くということです。
早起き、読書、ジム通いなどを継続するため、最初は何か自分へのご褒美を与えてモチベーションを維持していたとしても、習慣化されたら当たり前になるそう。
習慣化したいと望むかどうかにかかわらず、長く継続したことはなんであれ習慣化する可能性があります。
確かに、学生時代に体育会系の部活動に所属していた人って、社会人になってからも挨拶の仕方に特徴があったりします。
そんな私も昔の習慣が抜けなくて、映画館で座席に座る際、無意識にシートベルトを探していたりしますので人のことは言えませんが。
良いことが習慣化されたら喜ばしいですが、その反対は困りものです。
CA時代の話になりますが、今と違って当時の機内ではフライト前の非常用設備の案内って、CAがライブでデモンストレーションしていたのです。
もちろん動作が揃うよう、アナウンスに合わせて皆で練習するのですが、先輩に「とにかく基本に忠実に。毎日やっている中で変な癖がつくと、後で直すのが大変だから」と言われていました。
そう考えると、習慣づけって無意識のうちに日々行っていることになり、怖い気もします。
CA時代の先輩の言う通り、疲れてちょっとサボったり、面倒だからと手を抜いたりしたことが習慣になってしまわないよう、気をつけたいものです。
何気なく繰り返している毎日のルーティーンが、全て習慣化につながる繰り返しだと考えると、背筋がピンとなります。
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