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外出している時間が脳にもたらす影響

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自然が身体的・精神的な健康に及ぼす影響は、新しい研究テーマとして最近注目を集めており、研究が人々への健康勧告にも影響を与えるようになってきています。

 

これまでの研究で、自然の中で過ごすだけで、人は気分が良くなり幸せを感じることができるという結果が出ていました。

 

新しい研究で、屋外に出ることが心に効くだけでなく、脳の機能も高めていることがわかりました。

 

サマリーをシェアします。

 

2021年、ドイツ マックス・プランク人間発達研究所のシモーネ・キューン教授を筆頭著者とする、屋外で過ごす時間と脳の構造的な変化との関連を調べた研究結果が発表されました。

 

研究には、健康で都市生活者である24歳〜32歳の成人6名(男性1名、女性5名)が参加しました。

 

彼らには日常的に歩数計をつけてもらい、週に2回、MRIスキャンを行なって脳構造の40~50個のポイントを詳細に測定しました。

 

また、屋外で過ごした時間、身体運動量、感情レベルなどの質問にも回答してもらいました。

 

6ヶ月間の追跡調査により得られたこれらのデータを解析し、身体活動、日照時間などによるバラツキを調整しました。

 

結果、次のようなことがわかりました。

 

1、屋外で過ごす時間が長いほど、脳の重要な領域にある灰白質の体積が増加し、幸せな感情が高まりました。

 

2、これは外出が、集中力、記憶力、メンタルヘルスに良い影響を与えている可能性を示唆しています。

 

3、また脳のこの部分の灰白質の量が増えることは、精神疾患に対する予防効果があることを示唆していま

す。

 

4、今回の研究で、屋外で過ごすことにより、脳の構造と心の状態の両方が良い方向に変化することがわかりました。

 

出典:The World Journal of Biological Psychiatry

 

https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/15622975.2021.1938670

 

 

これまでも、屋外で過ごすと気分が良くなると言われてきましたが、それに神経科学的な裏付けが与えられたという研究結果です。

 

私もコロナ禍でテレワークをすることがあります。

 

最初は通勤時間を節約できるので仕事の効率がアップすると思っていましたが、実際のところそれほどでも無いのが不思議でした。

 

自宅だから気が弛んでいるのかと反省していましたが、同僚達からも、仕事の効率がさほど上がらなかった、という声を聞きます。

 

今から思えば、特に用事がないからと家から一歩も出ないのが良くなかったかもしれません。

 

面倒な通勤に、屋外環境から脳への刺激を高めるという、隠れた効能があったとは驚きです。

 

短い時間外で過ごすだけでも人間の脳には恩恵がもたらされるとのことですから、ぜひ外出を心がけたいもの。

 

休日や在宅勤務の日こそ、屋外へ出る予定を設け、脳の効率を高めたいですね。

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