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「明るく前向き」が常に魅力的とは限らない

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私は仕事で新卒採用も担当しているので、就活サイトの応募条件や同業他社の採用情報をよくチェックしています。

 

各社の求める人材像として「明るく前向きな人」と書かれていることがあります。

 

確かに心理学の研究でも、初対面の場合、楽観主義者は悲観主義者よりも魅力的に見られることがわかっています。

 

しかし、これはあくまでも採用における一次選考など、まだお互いのことをよく知らない場合です。

 

職場の同僚として長期的に良い関係を築いてゆくためには、どんな人材を採用すべきでしょう?

 

研究のサマリーをシェアします。

 

2010年、ドイツ エアフルト大学のロバート・ベーム教授を筆頭著者とする、楽観主義と悲観主義が社会的な魅力に与える影響を調べた研究結果が発表されました。

 

研究には、楽観主義的な人と、悲観主義的な人の計248人が参加しました。

 

まず最初に、楽観的な人のストーリーと、悲観的な人のストーリーを読んでもらいました。

 

そして、第一印象として、どちらの人物がより魅力的かを答えてもらいました。

 

次に、継続的な関係としての、参加者自身とパートナーとの関係について答えてもらいました。

 

結果、次のことがわかりました。

 

1、ほとんどの人が、第一印象として、悲観的な人よりも楽観的な人のほうが魅力的だと回答しました。

 

2、継続的な関係では、楽観的な人は他の楽観的な人との関係に満足しており、悲観的な人は他の悲観的な人との関係にも、楽観的な人との関係にも満足していました。

 

3、しかし悲観的な人は、楽観的な人の気分を害していることがありました。

 

4、この結果は、「類似性魅力仮説」と呼ばれる対人魅力に関する心理学的理論を裏付けるものと言えます。

 

出典:The Journal of Positive Psychology

 

https://www.tandfonline.com/doi/abs/10.1080/17439760.2010.534105

 

 

「類似性魅力仮説」とは、人は自分と性格や価値観が似ている人に好意を持つという理論のことです。

 

例えば新しい集団に入った時、最初に知り合いがたくさんできたとしても、親密な関係が長く続くのは、自分と性格や価値観の似ている人になってゆきます。

 

つまり、楽観的な応募者と、悲観的な応募者のどちらを採用すべきか?

 

その答えは、受け入れ先の職場の人たちが楽観的か悲観的かによって決まるということ。

 

受け入れ先の職場の人たちが楽観的なら、楽観的な人を配属するとうまくいきそうです。

 

でも、受け入れ先の職場の人たちが悲観的なら、悲観的な人を採用したほうが良さそうです。

 

では、職場に楽観的な人と悲観的な人が混在していたら?

 

楽観的な人は、悲観的な人と一緒にいるのを辛く感じてしまいますが、悲観的な人は、楽観的な人と一緒にいても、あまりストレスを感じないとのこと。

 

そう考えると、応募者が「明るく前向き」かどうかって、そんなに重視すべきこととは思えなくなります。

 

やはり、相性って大事です。

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