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目には見えないけれど大切な声のトーン

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子どもは親とは別人格なので、時には双方の意見が対立してしまうこともあり得ます。

 

そんな時、どうやって親の気持ちを伝えるのが良いのでしょう?

 

それには言葉だけでなく、社会的立場、顔の表情や見た目、声の大きさや高さなど、様々な要素が関わっているそうです。

 

そして人は、「この人は自分よりも権威がある」と思う相手と話す時、声のトーンを高くする傾向があることが心理学の研究で分かっています。

 

サマリーをシェアします。

 

 

2017年、コロンビア エルボスケ大学のファン・デビッド・レオングメズ准教授らを中心とした、社会的地位が声の高さに及ぼす影響を調べた研究結果が発表されました。

 

研究では、スターリング大学の学生48名(男性24名、女性24名)に対して、採用面接のシミュレーションを行いました。

 

模擬面接では、支配的な面接官、威厳ある面接官、中立的な面接官の、3パターンの面接官を用意しました。

 

参加学生には、自己紹介、志望動機、職場での対人関係の、3つの質問に回答してもらいました。

 

結果、次のようなことがわかりました。

 

1、参加者は、自己紹介のような単純な質問の際は声のトーンが変わりませんでした。

 

2、しかし、面接官に志望動機を説明したり、職場での対人関係について意見を述べたりするときには、声のトーンが高くなりました。

 

3、中立的な面接官と比較して、支配的な面接官や威厳ある面接官との面接では、参加者の声のトーンが高くなる傾向が見られました。

 

4、これらは、自分が相手に敵意を抱いていないことを伝え、従順さを示していると考えられます。

 

5、逆に、自分の方が社会的立場が上だと感じる時には、声のトーンが下がる傾向がありました。

 

6、声のトーンに関するこれらの傾向は、参加者が男性でも女性でも同様でした。

 

7、意識的であれ無意識であれ、声のトーンは社会的地位を伝える重要な手段であると考えられます。

 

出典:PLOS ONE

 

https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0179407

 

 

つまり人が声のトーンを高くするのは、対立を避けようしている気持ちのあらわれと言えます。

 

なので自分の声のトーンの変化で、相手との関係をどうしたいと思っているかが伝わるのです。

 

女性は電話するとき無意識に声のトーンが高くなると思っていましたが、男性でも同じとのこと。

 

子どもが欲しいものをおねだりする時の様子を想像すればピンと来ますね。

 

しかし、どんな時でも気前よく子どもの要望を叶えるばかりが親の役目ではありません。

 

時には子どもに反発されると分かっていても、あえて耳の痛い指摘をしなくてはならない場合もあります。

 

子どもを叱らなくてはいけない大事なときに、親が感情を高ぶらせたり気後れしたりして高い声のトーンで話したら、効果半減ということに…。

 

それどころか、子どもに軽く見られ、舐められてしまうかもしれません。

 

普段は明るく楽しく接していても、ここぞという大事な局面では声のトーンを下げて、相手の目を見てゆっくり想いを伝えるのが良いでしょう。

 

声のトーンって目に見えないのでスルーしがちですが、実は相手に大事なメッセージを伝えています。

 

慎重に言葉を選ぶのと同様に、声のトーンにも配慮すべきですね。

 

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