母親はいつも明るく元気でいるのが理想ですが、人間ですので心身の不調に見舞われることだってありえます。
母親がうつ病になった場合、それを自分のせいだと感じる子どもは、自分自身もうつ病や不安症になるリスクが高くなるとの研究があります。
自分ではコントロールできないことについて、何とかしようとあれこれ思い悩むことが、うつ病や不安症を引き起こしやすくなるためです。
サマリーをシェアします。
2020年、アメリカ、サザンメソジスト大学のクリスティーナ・クーロス博士を筆頭著者とする、母親の抑うつ症状の影響と子どもの自責傾向に関する研究結果が発表されました。
実験には、129組の母子2人のペアが参加しました。
母親達には、抑うつ症状のテストを行いました。
子ども達には、自責傾向に関する調査を行いました。
結果、次のようなことがわかりました。
1、母親の抑うつ症状は、子どもの心に良くない影響を及ぼすリスクを高めますが、すべての子どもがネガティブな影響を受けるわけではありませんでした。
2、母親のうつ状態を自分のせいだと考える子どもは、自分自身もメンタルヘルスの問題を抱えている可能性が高い傾向にありました。
3、母親の抑うつ症状が子どもに及ぼす影響は、子どもの自責傾向が高いか低いかによることがわかりました。
4、母親の症状に個人的な責任を強く感じると、子どもは「何とかしよう」と考えます。
5、子どもたちは、自分では解決できない問題を必死に解決しようとしますが、その努力が報われないと、無力感を感じて自分を責め、失敗についての思いを巡らせてしまいます。
6、その過程で、子どもたちは自分自身を精神的に傷つけてしまうのです。
7、自己評価が低く自責傾向の高い子どもほど、うつ病や不安症予防のためのサポートが必要なことが示唆されました。
出典:Journal of Family Psychology(2020)
https://psycnet.apa.org/doiLanding?doi=10.1037%2Ffam0000639
切ない話です。
子どもが、母親の病気を自分のせいにしてしまうとは、いじらしさに泣けてきます。
そもそも母親って、健康なのが当たり前の存在なので、その当人が体調を崩すのは、災害以上に想定外なこととなってしまいます。
防災訓練や避難訓練はあるけど、母親不在訓練なんてありませんから。
うつ病に限らず、母親が突然入院した場合など、大人達は家事と育児を回すことに必死になって、子どもの心のケアは後回しになりがちです。
でも幼い子どもって、大人が思う以上に大人達の話をよく聞いていて、自分なりの理屈で状況を理解しようとしているもの。
まだ小さいから事情を理解するのは無理だろうなんて決め付けるのは感心しません。
小さい子どもであっても親の病気や家庭の状況は丁寧に説明できたらいいですね。
「何も説明してもらえないのは、ママの病気が自分のせいだからだ」なんて、子どもが間違った思い込みから自責しないよう、十分な配慮が必要です。
そして普段から、子どもの人格を否定したり、余計な罪悪感を植えつけたりしないよう、私も気をつけていきます。
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