最近、日本でもメンタルヘルスの重要性が唱えられるようになってきました。
人にはストレス耐性というものが備わっており、ストレスに適応し、対処しようとします。
ストレス耐性には個人差があると言われています。
うつ病や心配性になる人の性格と、親の教育方針との関連を調べた研究結果があるので紹介します。
ニューヨーク州立大学ビンガムトン校のキエラ・M・ジェームズ氏を中心とした研究チームが研究を行いました。
対象には87人の子ども(7歳から11歳)とその両親(24歳〜78歳)が選ばれました。
その研究結果は2018年に発表され、内容は次のようなものでした。
1、相手の表情の読み取り方には子どもによって偏りがあり、それには環境が影響していることが明らかになりました。
2、批判的な親の子どもは、そうでない親の子どもに比べて、他人の顔の表情(恐怖、喜び、悲しみ)に対して注意を払わない傾向が明らかになりました。
3、他人の顔の表情の変化を見たり、相手の感情を読み取ったりすることは、良い人間関係を築く役に立ちます。
4、それにも関わらず、これらを避けるということは、将来子どもがうつ病や心配症になりやすい可能性を示唆しています。
これらから次のことが推察できます。
なぜ批判的な親に育てられた子どもたちは、他人の顔の表情を読もうとしないのでしょうか?
これは批判的な親からのネガティブな感情表現でこれ以上傷つかないためかもしれません。
同様に、親の批判を連想させるような他の誰かからのネガティブな感情表現を避けるためかもしれません。
しかしそれは同時に、他の人からのポジティブな感情表現をも避けてしまう要因になります。
出典:Journal of Clinical Child & Adolescent Psychology
https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/15374416.2018.1453365
要するに、こういうことです。
厳しい親に否定的なことばかり言われて育つ
↓
子どもは自分のメンタルを守るため、親の表情を読まないようにする
↓
子どもは他人と接したときも、相手の表情を読まないようにする
↓
他人の否定的な表情を読まないことで、自分のメンタルを守ろうとする
↓
同時に、他人の肯定的な表情も読まないため、うつ病や心配性になりやすい
もともと人には、不快なもの、不安にさせるもの、悲しくさせるものを避けようとする傾向があります。
それだけなら良いのですが、他の人からのポジティブな感情表現までも避けてしまっては、人間関係で苦労しそうです。
子ども時代の育てられ方って、生涯にわたって影響を及ぼしますので、親の責任は重大です。
にも関わらず、こんな風に子どもを批判せずにいられない親って、どういうことでしょう?
もしかして、親自身が厳しい批判や不当な差別で苦しんでいたりするのかな・・・。
子育てに必死な毎日だと、どうしても親自身のことは後まわしになってしまいますが、私自身、反省です。
幸せな子どもを育てたいなら、親がちゃんと自分で自分をいたわり大切にすることも必要ですね。
子どもをのびのび育てるには、親自身の心の余裕が必要ですから。
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