子どもが語る将来の夢って微笑ましいものですし、親としては本人の資質や個性をぜひ伸ばしてあげたいと思うもの。
大人になって本当に夢を叶えるための、成功のポイントって一体何なのでしょう?
実際に起業してビジネスオーナーとなった、成功者達のデータを分析した研究結果があります。
サマリーをシェアします。
2020年、アメリカ セントラルフロリダ大学のジャレッド・S・アレン氏を筆頭著者とする、起業家にとって大切な資質について比較、分析した研究結果が発表されました。
研究者達は、のべ65,826人の起業家を対象とした、40の研究論文を分析しました。
その際、「一般知的能力」と「感情知能」の2つに注目しました。
「一般知的能力」(General Mental Ability)とは、新しい知識を学んだり、学習した内容を保持したりできる能力のことです。
「感情知能」( Emotional Intelligence)とは、 自身や周囲の人たちの今の感情の状態を認識し、対人関係において良い第一印象を与え、自分や他人の感情を調整できる能力のことです。
結果、次のようなことがわかりました。
1、会社のような従来の職場環境では、一般知的能力が感情知能よりも成功に重要なスキルでした。
2、しかし起業家の場合は、感情知能の方が一般知的能力よりも重要で、その重要度は2倍以上の差がつきました。
3、よって、感情知能は起業家の成功を予測する最大要因であると言えます。
4、感情知能が高い人は、社会的スキルが高くストレス解消能力が高く自発的に行動する傾向があります。
5、起業の世界には不確実性や曖昧さがつきものであり、ビジネスが危機的状況になった場合はさらに感情知能が必要になります。
6、伝統的な職場環境とは違って起業すると、自分のビジネスを管理することは感情のジェットコースター上で一人で叫んでいるかのように感じられるものです。
7、このような極端な環境では、感情や社会的なつながりを管理する能力が決定的に重要になり、特に大きなビジネスの混乱や危機の際にはその傾向がより強くなります。
出典:Strategic Entrepreneurship Journal
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/sej.1377
大抵の職業やキャリアにおいて、一般知的能力(いわゆるIQ)が高い人の方が成功しやすいことは、これまでの研究でも分かっていて疑いの余地はありません。
しかし起業を目指す場合には、感情知能の高い人の方が圧倒的に有利のようです。
昨今では環境破壊や貧困を解決するため、社会起業家を夢見る子ども増えているそう。
もし子どもがそんな起業家を目指すと言ってきたら、学校の成績だけでなく、人間関係の築き方やプレッシャーに負けないメンタルの強さも大事だということを、早めに教え導いてあげたいものです。
「一般知的能力」と「感情知能」のどっちが優秀ということではなく、本人が望む未来に応じて、必要な方を伸ばせば良いのです。
ITの進化によって、今後は新たな職業が生まれてくると言われる時代です。
学校の成績「だけ」で人生が決まるわけではありませんから、子どものうちから色々な経験をさせて、興味の引き出しを増やしてあげたいですね。
生き方の選択肢が増えるということは、それだけ多様な生き方が認められる社会に近づきつつあるわけで、未来が楽しみです。
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