運動不足は健康に良くないだけでなく、性格も内向的になり、病気リスクも高まるとの研究があります。
それだけ聞くと心配になりますが、では私たちは実際に、毎日どれくらい運動すればいいのでしょう?
研究のサマリーをシェアします。
2020年、ノルウェー・スポーツ科学大学のウルフ・エーケルンド教授を筆頭著者とする、運動している時間と、座りっぱなしの時間との関係が死亡率に及ぼす影響を調べた研究結果が発表されました。
研究者達は、4つの国の444,370人を対象に、フィットネストラッカーを装着してもらい、4年から14年にわたって継続調査した、9つの研究データを分析しました。
1日の平均データを、座っている時間、生活活動の時間、高強度の運動時間、の3つに分類して、異なる組み合わせ毎に死亡率との関連を調べました。
結果、次のようなことがわかりました。
1、座っている時間の一日平均は8 時間30分〜10時間30分、それに対して高強度の運動時間の一日平均は8分〜35分でした。
2、座りっぱなしのライフスタイルを送っている人は、高強度の運動時間が少なければ少ないほど死亡リスクが高くなりました。
3、高強度の運動とは、ランニング、登山、水泳、パワーヨガなど息が入んで汗ばむ程度の運動のことです。
4、しかし、毎日30分~40分ほどの生活活動に時間を要していた人は、座りっぱなしの時間が長くても短くても死亡リスクに有意な差がみられませんでした。
5、生活活動とは、サイクリング、ウォーキング、ガーデニングなど、適度に集中できる運動のことです。
出典:British Journal of Sports Medicine
運動不足は寿命に関わりますが、高強度の運動を頑張れなくても、日常的にサイクリングやウォーキングの時間が取れているなら運動不足のダメージを軽減できるそう。
とはいえ、仕事だけでなく家事も育児もこなすワーキングマザーの場合、家族のために毎日忙しくタスクをこなしていますから、さほど心配なさそうな気もします。
ところが日本の30〜40代の女性の1日当たりの歩数平均は6,800歩程度であり、目標とされる1日8,500歩には及ばないそうですから、多目に歩くくらいがちょうどいいのかもしれません。
厚生労働省の「国民健康・栄養調査」データによれば、日本人は運動不足が原因で毎年5万人が亡くなっているとのこと。
特に30~40代女性で運動習慣(1回30 分以上の運動を週2回以上実施し、1年以上継続している)のある人は、10%前後だそう。
これだと、10人中9人は運動不足ということになってしまいます。
長生きして子どもの将来を見届けるためにも、何か身体を動かす系の趣味を見つけたいものですね。
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