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社会不安障害とホルモンのアンバランスとの関係

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「社会不安障害」(Social Anxiety Disorder)とは、大勢の人の前で話したり、意見を言ったりすることへの過剰な不安や恐怖のため普通の生活を送るのが困難になってしまう、不安障害のひとつです。

 

これまでの研究で、社会不安障害は脳(セロトニン神経系とドーパミン神経系)の機能障害ではないかと考えられてきました。

 

「ドーパミン」とは、快感ホルモンとも呼ばれ、喜びや快楽をもたらします。

 

「セロトニン」とは、ドーパミンなどの他の神経伝達物質を制御して、精神状態を安定させます。

 

ところが新しい研究で、社会不安障害はセロトニンやドーパミンを運ぶ輸送タンパク質の不均衡による可能性が示唆されました。

 

サマリーをシェアします。

 

2019年、スウェーデン ウプサラ大学のオロフ・R・ヒョース博士を筆頭著者とする、社会不安障害におけるセロトニンとドーパミンの関係を調べた研究結果が発表されました。

 

研究には、社会不安障害の患者27名と、彼らと年齢・性別を一致させた健康な対照者43名が参加しました。

 

研究では陽電子放出断層撮影(Positron Emission Tomography)と呼ばれる、放射性同位元素を使用する核医学検査を行って、脳内の各部位ごとのセロトニンとドーパミンの関係を測定しました。

 

結果、次のようなことが分かりました。

 

1、セロトニンとドーパミンの間に、これまで知られていなかった関係が見つかりました。

 

2、社会不安障害がある人は、健常者と比較して、扁桃体、海馬、被殻でのドーパミンの利用率が高く、側坐核でセロトニンの結合率が高くなっていました。

 

3、この偏りは、社会不安障害の症状が重い人ほど高くなる傾向がありました。

 

4、このことは、社会不安障害の患者は、恐怖、動機付け、社会行動にとって重要な脳の領域において、セロトニンとドーパミンを運ぶ輸送タンパク質に不均衡があることを示しています。

 

5、神伝達物質を運ぶ輸送タンパク質の調節障害が、社交不安障害を発症するかどうかに影響を与えている可能性があり、治療のターゲットになることも考えられます。

 

出典:Molecular Psychiatry

 

https://www.nature.com/articles/s41380-019-0618-7

 

 

社会不安障害は10代の思春期に発症することが多く、個人的な人間関係や学業に大きな支障をきたすため、本人にとって非常に辛い障害です。

 

主な症状としては、めまい、顔面紅潮、手足の震え、大量の発汗、動悸などが挙げられます。

 

私も子どもを持つ母親なので、社会不安障害で登校困難となり、苦しんでいる中高生の気持ちを考えると胸が痛みます。

 

一刻も早く発症のメカニズムが解明されて、より効果的な治療法が見つかるよう願っています。

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