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知能の高い子どもの生きにくさを考える

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一般的に、高い知能は学業での成功や仕事での高収入など、ポジティブな結果を予測するものとされています。

 

その一方、知能指数の高い人は精神疾患のリスクが高いという研究結果があって、これは知的な人の脳が刺激に対して過敏に反応しているためではないかと考えられているそうです。

 

サマリーをシェアします。

 

2017年、アメリカ ピッツァー大学のルース・I・カルピンスキー氏を筆頭著者とする、知能の高さと精神疾患の診断率との関係を調べた研究結果が発表されました。

 

研究者達は、アメリカMENSA(メンサ)会員の3,715人を対象に、気分障害、不安障害、注意欠陥多動性障害(ADHD)、自閉症スペクトラム障害(ASD)、環境アレルギー、食物アレルギー、喘息、自己免疫疾患などの有無を自己申告するよう依頼しました。

 

MENSAとは人口上位2%の知能指数(IQ)を持つ人達が所属する団体で、会員は全員が高いIQ(130以上)を持っています。

 

彼らのアンケート結果を全米平均統計値と比較しました。

 

結果、次のようなことが分かりました。

 

1、MENSA会員達は、気分障害、不安障害、注意欠陥多動性障害(ADHD)、自閉症スペクトラム障害(ASD)、喘息、アレルギー、自己免疫疾患など、調べたすべての疾患の診断率が、全米平均統計値と比較して2~4倍高いことが確認されました。

 

2、例えば、不安障害と診断されている人の割合は、全米平均では10%ほどであるのに対して、MENSA会員では20%でした。

 

3、IQの高さは、感情障害、注意欠陥多動性障害(ADHD)、自閉症スペクトラム障害(ASD)の潜在的なリスク要因であり、喘息、アレルギー、自己免疫疾患の発生率を高めることが示唆されました。

 

4、その理由は、IQが高いと、周囲の状況や起こっている物事に脳が過敏に反応するためだと考えられます。

 

5、もし、知能の高さがこれらの病気や障害のリスク要因で無いとすれば、2つのグループの間で同じような有病率が見られるはずだからです。

 

6、IQテストで高いスコアを出す人は、一般的には飛び抜けた結果をもたらす「才能」と言われがちですが、それだけとは限りません。

 

7、高いIQを持つ人は、ユニークな強さと過剰な興奮性を持っており、それは多くの面で注目に値すると同時に、障害にもなり得るのです。

 

8、知能が非常に優れている(130以上)人は、気分障害につながる反芻や、不安障害につながる心配を起こしやすいため、このようなリスクの高い集団を特定し、支援するためにはさらなる調査が必要と言えます。

 

出典:Intelligence

 

https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0160289616303324?via%3Dihub

 

 

高い知的能力を持つ人は、脳のさまざまな領域で過剰な興奮性を有しており、特定の心理的障害や感覚の高揚に加えて、炎症などの生理的な免疫反応も引き起こしやすいと考えられているそうです。

 

親としての自分の知力のことは棚に上げて、「もしうちの子の成績がずば抜けていたならばこんな心配をしなくても済むのに…。」なんて考えてしまうこともあります。

 

ですがこの研究によれば、天才児の子育てを「持って生まれた才能に恵まれているのだから手がかからなそう」などと考えるのは大きな勘違いということになりますね。

 

それどころか、普通の子ども以上にメンタルヘルスや健康状態への配慮が必要とのことですから、子育ての悩みや心配というものは、どんな子どもの親であっても尽きないのかもしれません。

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