子育ては大変ですが生きる励みにもなっているので、もし子どもが産まれていなかったら、一体どんな人生を送っていたんだろう?と考えることがあります。
子どもが居る場合と、居ない場合では、人生プランも大きく変わります。
総合的に考えて、どっちが幸せになれるのかを調査した研究があります。
サマリーをシェアします。
2021年、アメリカ ミシガン州立大学のジェニファー・ワトリング・ニール博士を筆頭著者とする、子どもの有無が人生の総合的な幸福度に及ぼす影響を調べた研究結果が発表されました。
研究には、ミシガン州の成人981人を対象としたデータを分析しました。
対象者を、子どもを持たないことを選択した夫婦、子どもを持つ親、子どもを持つ予定ではあるがまだ親になっていない夫婦、不妊や環境などの理由で子どものいない夫婦の、4グループに分けて分析しました。
参加者は、人生の満足度や、ビッグファイブと呼ばれる性格検査など、いくつかの設問に回答した後、子どもを持たないことを選択した女性や男性に対してどれだけ冷たく感じるか、温かく感じるかを0〜100の目盛りで回答しました。
さらに、参加者の人種、性別、学歴、年齢、政治的イデオロギー、交際状況(同居、別居、離婚、死別、独身)などの人口統計データも収集しました。
結果、次のようなことが分かりました。
1、人口統計学的特性を考慮した結果、子どもを持たないことを選択した夫婦、子どもを持つ親、まだ親になっていない夫婦、子どものいない夫婦の間には、生活満足度の差はなく、性格特性の差も限られていました。
2、最初は、子どもを持たないことを選択した夫婦は、子どもを持つ親と比較して生活満足度が低いように見えましたが、性別、教育、年齢、人間関係の状態を調整した後、この違いは見られなくなりました。
3、また、子どもを持たないことを選択した人は、子どもを持つ親と比較してリベラルである傾向が強く、自分と同じ選択をした人に対しても温かく対応していました。
4、しかしそれ以外の人々が、子どもを持たないことを選択した男性や女性に対して温かみを感じる度合いは、かなり低いものでした。
5、多くの親達が、子供がいない夫婦はおそらく自分達ほど幸せではないだろうと考えていましたが、この研究はそうではないことを示唆しています。
出典:PLOS ONE
https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0252528
多くの親達は子どもが親を幸せにしてくれると考えていて、その根拠は子どもを持つことで得られる幸福感です。
別の研究によると、子どもを持つことで結婚や転職に匹敵する幸福感を得られるそうですが、その効果は子どもが生まれて最初の1年間しか続かないとのこと。
また、子どもを持つことによる幸福感は1人目と2人目で得られるもので、3人目になるともう慣れてしまっているので得られないのだそう。
子育てに忙殺されていると、つい子どもの存在が当たり前になって、本当は子どもを望んでいるのに諸事情により子宝に恵まれず悩んでいる人達への配慮を欠いていたかもと、反省することがあります。
この研究で、子どもがいてもいなくても幸せは本人次第だと解り、ほっと胸をなでおろしました。
子どもが居ないからこその気楽さや愉快さもきっとあるはずですから、自分と違う立場の人の気持ちを思いこみで判断しないよう、気をつけたいものです。
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