毎日を忙しく生きていれば、嬉しいことも嫌なことも起こりますが、心理学的に言えば、私達は良いことよりも悪いことに意識を向けがちだそう。
確かに嫌なことが起きると過去や未来にも意識が飛んで「もしあの時こうしていれば」とか、「もし失敗したらどうしよう?」とか、別のネガティブな考えに貴重な時間の大半を使ってしまうことも‥。
そう考えると、嬉しい出来事にも意識を向けて「良い気分」をちゃんと味わった方がバランスが取れそうです。
研究で、人生における良い瞬間の味わい方を学ぶことは、より幸せになるための鍵の一つであることが明らかになりました。
サマリーをシェアします。
2018年、アメリカ アリゾナ大学のマーガレット・ジェーン・ピッツ准教授を筆頭著者とする、良い会話を深く味わう能力が、総合的な人生の満足度、人間関係、生活の質の向上にどのように関連しているかを調べた研究結果が発表されました。
研究には65人の若者(平均年齢22歳)がオンラインで参加しました。
参加者に「味わい深かった会話の内容」「楽しい経験の詳細」などについて尋ねました。
結果、次のようなことが分かりました。
1、参加者は、感動的なスピーチ、親密な内緒話、単純な身体的接触、身体のジェスチャーまで、ありとあらゆるパターンで会話を楽しんでいました。
2、一般的に、人々はその場で起きた良いことを楽しんでいましたが、それは唯一の味わい方ではありません。
3、人々は、想像力を使うことで、時間旅行ができるのです。
4、今ここに座っていても、今日、昨日、あるいは25年前に起こった心に残る会話を思い出すことができます。
5、また、新婚旅行や長期休暇などの将来の計画を立てる時、印象深い会話を予想的に味わって良い気分に浸ることもできます。
6、こうして過去や未来の味わい深い瞬間を想うと、人は生理的にも精神的にも良い状態になります。
7、このように良い気分を自在に楽しむ方法を身につけ、それによって得られるメリットを享受するためには、次のような練習が必要です。
①まず心を開いて、現在の状況を把握します。
②自分が何か楽しい経験をしていることに気づいたら、それをゆっくりと味わい、それが何なのかを考えてみましょう。
③そして、なぜそれが良いのか?何をすればもっと良くなるのか?を考えて、別の楽しい経験と結びつけましょう。
8、これらは練習すれば、誰にでもできるようになるのです。
出典:Journal of Language and Social Psychology
https://journals.sagepub.com/doi/10.1177/0261927X18821404
ネガティブな感情を引きずってしまうのは簡単ですが、それとは反対に、ポジティブな感動や感謝を長く続かせたいなら練習が必要とのこと。
そうすれば、幸せな時間が増えることで不機嫌な時間が減り、心身も健康になるのですから、良いことづくめ。
通常、社会人になると、まず最初にネガティブな感情を顔に出さないよう訓練されるものです。
私自身、それが上手にできなかった新人時代には「学生気分が抜けていない」「プロ意識が低い」などと散々叱られました。
なのでネガティブな感情のコントロールについては、これまで訓練を積んできたし割と自信があります。
その一方、ポジティブな感情の取り扱い方法については、完全にノーケアだったので反省です。
良い気分の味わい方も、家事術やPCスキルの様に練習で訓練できるなんて驚きました。
私達のような、仕事に家事に育児に忙しく自分の時間が取れないワーキングマザーこそ「良い気分を長く楽しめる能力」を鍛えておいて損はありません。
だって親が毎日を明るく感謝で過ごせているかどうかって、子どもに大きく影響します。
そしてこの能力は、子ども達にも身につけて欲しいですね。
勉強が得意な子よりも、人生の味わい方が得意な子の方が、ずっと心豊かに過ごせそうですから。
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