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高学歴なだけでは幸せになれない理由

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親ならば誰しも、子どもの学力に興味関心があります。

 

なぜならば私たちには、「より高度な教育を受けた人は、より高収入の仕事に就くことができるはず」との思い込みがあるから。

 

そのため、中には子どもの将来の成功のために、猛勉強を強要する親もいます。

 

ところで、そんな厳しい受験競争を勝ち抜くことができたら、一体どんな幸せが待っているのでしょう?

 

なんと、高学歴の人ほど、あまり幸福度が高く無いとの研究があるのです。

 

サマリーをシェアします。

 

2021年、アメリカ ノートルダム大学のブリタニー ・C・ ソロモン博士を筆頭著者とする、高等教育を受けることと従業員の仕事の満足度の高さとの関係を調べた研究結果が発表されました。

 

研究者達は、10万人以上の従業員を対象とした74の研究論文を精査しました。

 

結果、次のようなことが分かりました。

 

1、より高い教育を受けた人は、より高い給料の仕事に就くことができますが、その仕事によって得られる個人的な満足度はそれほど高くありませんでした。

 

2、なぜならば、給料が高い仕事には、より多くのストレス、より長い時間労働、より大きな責任、より多忙な緊急性が伴います。

 

3、これらの余分なプレッシャーは、より良い仕事をすることで得られる高い満足度を打ち消してしまうほど強いものです。

 

4、そのため、学歴の高さと仕事の満足度の高さとの間には、関連が見られませんでした。

 

5、教育は人生にとって重要な投資ですが、個人的な満足度という点では、必ずしも仕事で報われるとは限りません。

 

6、自分がどんな職業に就いて、どんな経験を追求し、最終的に何に価値を置くかについて、人々がもっと現実的になれると良いでしょう。

 

出典:Journal of Applied Psychology

 

https://psycnet.apa.org/record/2021-37667-001

 

 

高収入を得ることと引き換えに多くのストレスを抱えてしまうなんて悩ましい研究結果ですが、確かに思い当たります。

 

私の親はかなり教育熱心なタイプで、子どもの頃の私は「テストで良い成績を取って、高偏差値の学歴を手に入れ、一流企業に就職することが人生の成功者への道」だと教えられて育ちました。

 

当時の私は、聞き分けの良い子を演じてはいましたが、親の意見を信じていませんでした。

 

だって、自分の趣味や家族との時間を犠牲にし、出世のために組織に忠誠を尽くす両親を間近で見ていて、幸せそうには思えませんでしたから。

 

多忙な親を見ていて、「親の言うことを聞いて、親と同じことをして、親と同じ人生になったら嫌だなあ」と考えた結果、私は親とは全く違う人生を歩むことになりましたので、子育てとしては結果オーライだったのかもしれません。

 

ですが親となった今、同じことを自分の子どもに伝えようとは到底思えません。

 

闇雲に勉強を強要しても嫌がるだけですし、子どもが「将来こんな大人になりたいなあ」と思えそうな事例をいくつか提示した後は、本人の好きに選択させようと思っています。

 

子どもはひとたび憧れのイメージが持てれば、どうすればいいか自分で探し、思考努力するようになりますから。

 

研究によれば、多くの人はより良い仕事に就くために高等教育を受けますが、そんな仕事のプラス面ばかりに注目し、同時に存在するマイナス面には気づきにくいそうですので、親としてもそこは気をつけたいですね。

 

もう「親の言う通りにすれば成功できるから」と言われ、成功者のプラス面だけを信じてガリ勉する時代ではない気がします。

 

何が起きるか想定不可能で、ますます変化の激しい未来が来つつありますから、子ども達はもはや親達をお手本にしようとは思っていないよう。

 

幸せになる道は親が示すものではなく、親子で一緒に探求する時代なのですね。

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