子ども達って、自分の感情をちゃんと認識できていないことがありますよね。
時には自分で自分の感情を制御できなくなって癇癪を起こしてしまうこともあり、私自身、親として大変な思いをしてきました。
これまでの研究で、親が子供に対して、自分の感情にラベリングすることを教えると、子どもは自分の感情をコントロールするのが上手になるのだそう。
更に集中力も高まり、友達とも上手くやっていけるようになることが知られています。
人は感情に名前を付けることで、感情的な反応を低下させ、脳の思考を活性化することができるのです。
なので、感情を表現する言葉を沢山使いこなせる人ほど、感情と向き合うのが上手という事になりますね。
さらに最近の研究で、人々が使う感情表現には、その人の心の状態が反映されていることがわかりました。
サマリーをシェアします。
2020年、 アメリカ ピッツバーグ大学のベラ・ヴァイン博士を筆頭著者とする、言葉による感情表現のレパートリーの豊かさと、実際の性格、気分、幸福度との関連を調べた研究結果が発表されました。
研究では、1,567人の大学生が書いた、意識の流れを表すエッセイを分析しました。
また、35,000人以上の個人が書いた公開ブログを分析しました。
結果、次のようなことが分かりました。
1、感情表現の語彙の豊富さは、本人の経験と広く対応しているという結果が得られました。
2、感情を表現するポジティブな言葉を豊富に知っている人は、外向的、好意的、良心的な特性を持つ人が多い傾向がありました。
3、彼らは精神的な幸福度がより高く、身体的な健康状態も良好である可能性が高くなりました。
4、その一方で、ネガティブな感情を表す語彙を多く知っている人は、神経症やうつ病のレベルが高く、身体的な健康状態も悪い傾向にありました。
5、辛い人生経験をしてきた人は、自分を取り巻く世界を表現するために、ネガティブな感情を表現する語彙をより多く身につけてきたと考えられます。
6、このような人たちは、日常の中の微妙な感情をネガティブなものとしてラベリングしやすく、それが結果的にネガティブな気分になりやすくしているのかもしれません。
出典:Nature Communications
https://www.nature.com/articles/s41467-020-18349-0
研究によれば、辛い人生を歩んできた人は、ネガティブな感情表現の語彙が豊富になるため、ネガティブな気分を敏感に察知してしまい、ますます気分が落ち込みやすくなってしまうとのこと。
実際の文章でも、悲しみを表す言葉を多く使う人はより悲しくなり、恐怖を語っている人はより恐怖を感じるようになっていたそうです。
これに対して、幸せな人生を歩んできた人は、幸せな体験によって楽しい気分を感じることが多く、ポジティブな言葉の語彙が豊富になるために、ますます良い感情を感じやすくなり、幸せになりやすいのです。
これを逆に考えれば、ポジティブな気分を表す語彙や表現を沢山覚えれば覚えるほど、ポジティブな感情に気が付きやすくなり、誰でも幸せになれるという事になりますね。
そのために子どもに楽しい体験を沢山させるというのはグッドアイデアですが、例えそれが難しい場合であったとしても、子どもを幸せ体質にできるかどうかは親の工夫次第ということ。
結末がハッピーエンドの絵本を読み聞かせたり、楽しい体験談を語ったりして、ポジティブな感情を言い表す表現や語彙を子どもに沢山教えて行けば良いということになります。
何よりこれは親子で楽しめる娯楽にもなりますので、早速始めてみますね。
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