一般的に、性格が明るいと、周りから好かれ、良いご縁を引き寄せ、日々楽しく過ごせる可能性が高いと考えられています。
だから親としては明るい子どもに育って欲しいと願いがちですが、性格って人それぞれ。
子どもの個性を活かしつつ自己肯定感を育み、幸せな子ども時代を過ごせたら嬉しいですね。
そのためには、親はどんな風に子どもと関わったら良いのでしょう?
人生に満足している人と、そうでない人の思考の違いを調べた心理学の研究があります。
サマリーをシェアします。
2011年、アメリカ サンフランシスコ州立大学のライアンT. ハウエル博士を筆頭著者とする、性格的な特性と人生の満足度との関連性のほとんどが、時間軸の捉え方の個人差によるものであるとする研究結果が発表されました。
研究には、754名(女性530名、男性194名、性別未回答30名、平均年齢およそ25歳)の大学生が参加しました。
参加者に、性格特性テスト、人生に対する満足度アンケートなどに回答してもらいました。
また、時間的視点(過去、現在、未来についての捉え方)について質問しました。
結果、次のようなことがわかりました。
1、おしゃべり、大胆、エネルギッシュなどの特徴を持つ、外交的な性格の人が最も人生に満足していました。
2、彼らには、過去の思い出をポジティブに記憶し、良い思い出として懐かしみつつ、今を生きる傾向がありました。
3、その反対に、気分屋、短気、心配性などの特徴を持つ、神経質な性格の人は、幸せを感じにくくなっていました。
4、彼らは、過去のネガティブな出来事に注目し、そのことをいつまでも思い出す傾向がありました。
5、神経質な性格の人であっても、ネガティブな記憶をリフレーミング(捉え直し)して、ポジティブな面に焦点を当てる努力をすることで、幸せを感じやすくなります。
6、わざわざ性格を変えなくても、楽しい記憶を思い出したり、過去の辛い経験をポジティブに捉え直したりすることで、時に対する見方を変え、幸福感を高めることができるかもしれません。
出典:Personality and Individual Differences
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0191886911000961?via%3Dihub
研究によれば、性格が外交的か神経質かよりも、過去をどう認知しているかが人生の満足度を決めているそう。
なので親として子供にやってあげたいと思うのは、ネガティブな記憶のリフレーミングです。
リフレーミングとは、人物や物事、出来事などが置かれている状況や、背景の枠組みを改めて考え直すこと。
「いつも批判的発言をするイヤミな人がいた。」
↓
「違う視点があると教えてくれる人だった。」
「英検に落ちて検定料を無駄にした」
↓
「失敗したけど次に活かせる経験だった」
「テストの成績が悪かった」
↓
「苦手分野が明確になった」
「臆病で心配性」
↓
「細部にまで目が行き届くしっかり者」
「自主性がない」
↓
「サポート役に向いている」
こんな風に視点をずらすことで、過去の嫌な経験も、自分のネガティブな性格もプラスに書き換えてゆくことができます。
私が子どもの頃の話ですが、親にテストの成績を見せると常に誰かと比較され、悪いところのアラ探しばかり‥。
テストの点数だけで人格を否定された過去の記憶は、気分の良いものではありません。
私はこの記憶を「私の将来を心配するあまりに、不器用な愛情表現しかできなかったんだな」と書き換えることができたので、今は親との円満な関係を築けています。
もし、親に当時の心境を聞いたとしても、自分の事を自分で正確に把握できている人なんてほとんどいませんから、おそらく答えられないでしょう。
だったら尚更、過去の捉え方は自由にカスタマイズして良いのでは?
性格を変える事と比べて、過去の捉え方を書き換えるのはずっと簡単です。
過去のネガティブな事実よりもその捉え方に目を向けて、満足のゆく人生を積み重ねていきたいものです。
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