人に好かれる資質として、話し上手であることがよく挙げられます。
確かに誰とでも話を合わせられる、話題の豊富な方って人気があります。
ところが井戸端会議を延々と続けても、話の印章があまり残らないことってありますね。
実際のところ、会話の質と量ってどちらがより重要なのでしょう?
研究のサマリーをシェアします。
2018年、アメリカ アリゾナ大学のアン・マイルク氏を筆頭著者とする、日常会話の質と量のうち、どちらが個人の幸福度合いを決めているのかを調べた研究結果が発表されました。
研究には486人のボランティアが参加しました。
彼らは小型の録音機を使って自分達の日常会話の断片を録音しました。
分析の結果、次のようなことが分かりました。
1、この研究では、口をきいてもお互いのことを殆ど知らずに終わってしまう、ちょっとした世間話のことを雑談と定義していますが、そのような雑談は、幸福にプラスに寄与することも、マイナスに作用することもありませんでした。
2、その一方で、意味のあるやりとりや、内容の深い会話をすると、幸福感が高まりました。
3、政治談義、人間関係、天気予報など、どんな話題であっても、単なる世間話以上の深さがあれば幸福感が高まっており、会話のテーマはさほど重要ではありませんでした。
4、驚いたことに、外交的な人でも内向的な人でも、深い会話によって等しく幸福感が高まっており、良質な会話から得られる幸福感に、性格の違いは影響しませんでした。
出典:Psychological Science
https://journals.sagepub.com/doi/10.1177/0956797618774252
研究によれば、幸せになる為には、会話の量よりも質が決め手になるとのこと。
そして、それには性格による違いが見られなかったそう。
世の中には口下手な人や、おしゃべりは苦手という人もいますが、そんな人達でさえも、意味のある会話や深みのある会話をすることで幸福度が高まっているとは意外です。
また雑談は、幸福度には関係ありませんが、決して無駄なものではないそう。
現代社会では、見知らぬ人に近づいていきなり深い会話をすることができないので、当たり障りのない世間話やちょっとした会話のやりとりが必要不可欠だからです。
とは言え「よしっ。幸せになる為に深い会話をしよう!」と、意識するのは違う気がします。
私が思うに、トークスキルを磨くより大事なことは、話す相手を選ぶこと。
出会う全ての人と深く会話する必要は無くて、信頼できる人との関係を大切にすることで、自然と会話の質が高まって行く気がします。
そう考えると「会話の質が高いから幸福度が高い」というのは順序が逆で、「豊かな人間関係を築けているから、深い話のできる相手がいる」とも言えます。
まずは身近な親子関係から、豊かにしていけるよう目指します。
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