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小さい頃の記憶を忘れてしまう脳の仕組み

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ほとんどの人は、7歳以前のことをあまり覚えていないそうです。

 

3歳前の記憶を持ち続けている人は少数派と言われています。

 

しかし、3歳頃の子どもに過去の出来事を尋ねると、その当時を思い出して話すことができるため、3歳以前の記憶は存在していないのではなく、忘れてしまうと考えられています。

 

この乳幼児期の記憶が無くなる現象を、心理学では「幼児健忘症」と言います。

 

では0歳から3歳までの記憶は、一体どのようにして消えてしまうのでしょう?

 

研究のサマリーをシェアします。

 

2013年、アメリカ エモリー大学のパトリシア・J・バウアー教授を筆頭著者とする、幼児期健忘症の発症時期を調べた研究結果が発表されました。

 

研究には、83人の子ども(女の子44人、男の子43人)とその母親が参加しました。

 

研究では、3歳になったばかりの子どもとその母親に、動物園に行ったこと、誕生日パーティーをしたこと、幼稚園に入園した日のことなど、最近経験した出来事を話し合ってもらいました。

 

その後、5歳、6歳、7歳、8歳、9歳になったときに、同じ子どもと母親に再度面会し、3歳の時と同じ質問を母親にしてもらい、その時の出来事を思い出すかどうかをテストしました。

 

結果、次のようなことがわかりました。

 

1、5歳〜7歳の子どもたちは、3歳の頃に話した出来事の6割を覚えていました。

 

2、彼らのコメントには、時間、場所、説明が分かりにくいものもありました。

 

3、8歳〜9歳になると、3歳の頃に話した出来事の4割しか覚えていませんでした。

 

4、彼らは記憶している出来事の数は少ないのですが、記憶している出来事はより詳細でわかりやすい内容でした。

 

5、研究により、幼児健忘症は7歳頃から始まる事が示唆されています。

 

6、7歳頃までの未熟な思い返しが記憶の忘却を促進し、8歳以降大人の思考を身につけるにつれて、3歳以前の記憶が消滅してゆくのではないかと考えられます。

 

出典:Memory

 

https://www.tandfonline.com/doi/abs/10.1080/09658211.2013.854806

 

 

なぜ忘れてしまうのかについては、現在も世界中で様々な研究がなされていますが、はっきりしたことはまだ解明されていないようです。

 

0歳〜3歳児に直接聞ければ話が早いのにって思いますよね。

 

ただし、幼児虐待などの幼い頃の体験が、大きくなってからトラウマなどの形で影響を及ぼすケースがあるのも事実。

 

そのため、人は幼少期の体験を何も覚えていないわけではなく、現時点では未解明の場所に記憶を残しているとの仮説もあるそうですが、どうなんでしょう?

 

私は以前、親戚の幼い子どもと一緒に楽しく遊んだのに、次に再会した時その子が何も覚えていなくて少なからずショックを受けたことがありました。

 

でもそれは脳の発達上、致し方のないことだったのです。

 

だから、「実は好かれてないのかな」とか、「やっぱり印象が薄かったのかな」とか、自分のダメな理由を探してがっかりする必要なんてないのです。

 

記憶はあてになりませんから、写真を沢山撮って証拠を残しておきましょうね。

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