ビジネス書などでは、いかに良い印象を与えお客様に好かれるかというのは重大テーマです。
でも、著者の成功パターンをそのまま真似しても、必ず成功するとは限りませんよね。
魅力アップについて、科学的なデータを専門家が分析すると、どうなるのでしょう?
研究のサマリーをシェアします。
2018年、アメリカ デイトン大学のR・マシュー・モントーヤ博士を筆頭著者とする、好意に関する特定の行動とその効果を分析した研究結果が発表されました。
研究では、54件の論文内の308個の行動を分析し、ある人が別の人をどれだけ好きで、その人に対してどのような行動を取っているかを調べました。
結果、次のようなことがわかりました。
1、一般的に好感度を上げるとされている次のような態度と、相手に与える好感度には、関連がありませんでした。
× 髪をなびかせる
× 身振り手振りを大きくする
× 首をかしげる
× 眉毛をつり上げる
× 服の襟や胸元をなおす
2、上記は自分が相手に対して好意を持っているときに行うしぐさではあるものの、相手への魅力度アップとは関連していませんでした。
3、相手に対して魅力を高めるボディランゲージは次の5つしかありませんでした。
◎ 目を合わせる
◎ ほほえむ
◎ 話しかける
◎ 笑う
◎ 相手の側へ寄る
4、上記の行動は、信頼関係の構築に関係することで、好感度を高めました。
5、加えて、これらは民俗学者がそれぞれの文化で魅力的と定めた行動とも一貫性がありました。
6、人がこの5つの行動をとるかどうかは、恋愛願望とはほとんど関係がありませんでした。
7、この5つの行動は、医者が患者に接するとき、親が子供に接するとき、営業マンが顧客と話すときなど、人間関係のあらゆる場面での好感度と関係していました。
8、人は関わりを深め、相互に支え合い、合意度を高めようとして、これらの魅力アップにつながる行動を取っていると考えられます。
出展:Psychological Bulletin
https://doi.apa.org/doiLanding?doi=10.1037%2Fbul0000148
面白い研究ですよね。
女性誌によくある、「あざと可愛い女子になれるモテしぐさ」などを研究しても、効果のほどは判らないということになってしまいます。
たとえ好意を持っていることが伝わったとしても、信用が薄ければ魅力的な人物とは思われないことでしょう。
見た目の印象に気を配ることも必要ですが、相手の信頼感を高める行動を心がけてこそ、魅力が高まるということ。
よく考えれば、案外当たり前のことですね。
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